第67話.1人でファスト
「1年半も経って、またここに来るとは……」
午後4時を過ぎ、ダンジョンに入る人が一番多いといわれる時間帯になったにも関わらず、外から見る限りファストはそこまで人が集まっていないようだ。
だがそれもそのはず。ファストは初心者には難易度が高く、上級者にとっては難易度が低い。ならば中級者と考えるかもしれないが、『中級者への入り口』と言われるだけあって、ほとんどの中級者にとって難易度が低いのだ。
しかしそれは遥斗にとって好都合。自分のレベルに合わないダンジョンでの魔物の大量殺しは好まれることではないからだ。
ニーナはテレビで顔も知られているので、他の冒険者からは小言を言われるどころか歓迎されるほど。
だが遥斗はそうはいかない。表向きにはただのFランク冒険者の肩書しかないからだ。
「ま、いざとなったらスーザさん──いややっぱガルムさんの名前出せばいいか」
別に、決して、断じて、ガルムになら迷惑をかけてもいいと思ったわけではない。
☆
黒フードを被った遥斗はファストに入った。
前回兄妹でファストに来た際は、世界にまだ『───タイプのダンジョン』という概念が無かったが、ここは迷宮型ダンジョンに当てはまる。
迷宮といっても『迷える宮』という意味ではなく、アニメでよくある石造りの『迷宮』だ。
光が収まってから見える範囲には2チームの冒険者たちがスライムと対峙していた。その様子を見るに、順調に攻略を進めている、というわけではないだろう。
そのため遥斗は1階層の深部に向かった。
ここまで人とすれ違うこともなく、そのまわりに人の気配がしないことから、おそらく今日はファスト攻略の可能性が十分にあるパーティーは潜っていないのだろう。なので、遥斗は思う存分スライムの蹂躙を始める。
しかし、蹂躙を初めて5分、10分と経っても一向に特異種と遭遇する気配がない。もう既に相当数倒してしまったためペースが落ちる。
その状態でさらに10分が経過し、「めんどくせぇ……」と思い始めた時、《《ヤツが現れた》》。
最近、なろうでもこの作品の読者が増えてきてとても嬉しいです!
ですが、評価まで入れてくれる方がなかなかいません……!
実は受験休暇からの復帰でPV数が減っていて、かなりメンタルがやられています……!
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