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【3章完結】自宅が最難関ダンジョンの隠し部屋になった件〜隠し部屋で最低限学んだスキルは、どうやら地上では強すぎるらしい〜  作者: もかの
第2章.万物を焼き尽くす翼

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第60話.お買い物

 遥斗は紬により徹底的にダンジョン配信の知識を叩き込まれた。


「なにこれ、めっちゃおもろそう」

「でしょっ!」

「まぁでも、俺は見るだけでもいいかな。なんか事故りそう」

「そっかぁ……。わたし的にはたまに一緒に配信してほしいなぁって思ってたけど、それならしょうがないよね……」

「やっぱたまにはしてもいいかもな」

「ほんと?!」


 妹に落ち込まれるようなことは遥斗はしない。理由はもちろんシスコン・ブラコンだからだ。


「それで、機材とか買うのにまぁまぁお金がいるんだけど……」

「あーそういうことか。ちゃんとフードは被っとけよ?」

「さっすがお兄ちゃん! 話が早いっ!」

「俺もちょっと行ってくるかぁ」


 紬は紬で配信用の機材を買うための資金を稼ぎに、遥斗は今回のような急なときでも、金に困らないようにと稼ぎに行くことにした。




     ☆




 6時間以上ダンジョンをまわり、夜の10時を過ぎた辺りで2人は家に帰ってくる。


「ちょっと集めすぎたか……」


 どうせフード被ってるから身バレはしないとついつい暴れすぎてしまい、40万円近く稼いでしまった。


「これだけあったらさすがに足りるよな?」

「余裕で余るよ……」

「俺、機材とかは買えないからな?」

「ふふん! もうそのあたりはめちゃ高いわけでもなく、高性能で、十分以上に配信ができるのを見つけてあるんだよなー!」

「さすが紬すぎた」


 そう言って、遥斗は紬の頭を撫でる。なにげに数ヶ月振りに撫でることができた。20代前半とはいえ、女性が社会人に頭を撫でられるというのは本来かなりの抵抗があるはずだが、紬はとろけたような顔になる。


 遥斗は6時間分の疲れが吹き飛んだ。そのかわりになのか、急な眠気が遥斗を襲い、思わずあくびをする。


「残りの準備はわたしがやっておくから、お兄ちゃんは先に寝てていいよ?」

「もう1人でできるのか?」

「そーだねー。後はネットでポチポチして待つだけだし!」

「そういうことなら先に寝させてもらうわ」


 遥斗は風呂だけ済ませ、布団を敷いて横になる。そのまますぐに眠りに落ちた。




     ☆




 ──次の日の朝9時。


「早すぎんだろ……」


 遥斗の目に映ったのは、ウキウキでダンボールを開封している紬の姿だった。


「あ! お兄ちゃんおはよ〜!」

「あ、あぁ、おはよう……じゃなくて! 早すぎね?! 昨日の夜注文したんだよな?!」

「いやぁ、わたしも最初は早くて2日後くらいかなと思ってたんだけど、なんかアスタにいる配達員の人、特殊スキルで足が早くなるのを持ってるみたいでね? 仕事以外で使ったら身動きが取れなくなるっていう大きいデメリットのかわりに、超早く走れるから、この街の配達はほぼすべて一日以内で届くんだって!」

「いや特殊スキル強すぎぃ……」

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