第59話.ダンジョン配信
ここから62話までは、実験的にダンジョン配信を取り入れた形です。
読み飛ばしていただいても構いません。その場合は63話から復帰いただけると幸いです。
「ダンジョン配信?」
この世界にダンジョンが出没して早1年と半年、主要ダンジョンの1つ──ストラが攻略されてから5ヶ月ほど経った日のこと。
この5ヶ月の間、遥斗たち兄妹は世界で全く話題にならなかった。ストラを攻略したのは強靭な刃たちとして知られている。真のストラには4人もいたため、討伐魔物一覧に『断世の覇王』とあることで疑うものは誰一人いなかったという。
強靭な刃はニュースにも引っ張りだこの中、兄妹は必要最低限の金を稼ぐこと以外は自宅でゴロゴロとしていた。
今日に至ってはもうおやつの時間を過ぎてるというのに、まだ一歩も外に出ていなかった。そんななか紬が遥斗に声をかけたところだった。
「そっ!」
「そういえば最近聞くような聞かないような……やっぱり聞かないような」
「それ聞いたことないじゃん!」
「まぁそれは2割冗談として、」
「ならほとんど聞いたことないじゃん……」
「ダンジョン配信がどうかしたのか?」
遥斗はおふざけでなく、本当に数回聞いたことがある程度で、実際にどんなものかはあとで調べようと思い、紬に続きを促す。
「最近めっちゃ勢いがあるジャンルなんだけどね、わたしもそれやってみたいなぁって!」
「いいんじゃね?」
「軽っ!?」
「逆に俺が紬のしたいことをさせないとでも?」
「ありがとっ! 好きっ!」
(ひ、久々の好き、きたあああああ!!!)
カオスな状況になりつつあるが、それを止める人が存在しないため、シスコン・ブラコンフィールドの展開はなかなか終わらない。少しすると2人とも冷静になってきた。
ダンジョン配信。一部では『倍稼ぎ』とも言われているもの。魔宝石で稼ぐところを配信するだけで配信業の収入も入る。その効率の良さに急上昇中のジャンルだ。また人気が出すぎたため、企業もそれに応えようと努力し続けた結果、今では高性能の機材だけでなく、VTuberの姿を反映させての配信もできるようになっている。
「で、何をすればいいんだ?」
「分からずに返事してくれたんだね……」
そんなことを知らない遥斗は、紬とネットの情報で勉強するのであった。




