第46話.ストラ 5
6人はすぐに構える。
「……スーザさん。黄金の角が生えたファイトブルって聞いたことあります?」
「いや、僕も初めてだね。多分特異種だと思うよ。ファイトブルの特異種となると、Aランクはあると思うけど……」
そう話していると、ファイトブルはこちらに突進してくる。速さは普通のものと変わらないため、500mも離れていると簡単に避けられる。
その際、5人は横に飛んで避けるが、スーザはファイトブルよりも高くジャンプする。そしてファイトブルが下を通りかかった瞬間、剣を振り降ろす。
「はぁ! ッ!」
が、ファイトブルに届く前に見えないなにかに弾かれる。6人は何が起こったか理解できなかった。
──否。何が起こったかは理解できたが、そうだからこそ理解できないのだ。
「結界、ですね……」
「うん、あの弾かれ方は明らかに結界だ。でも原則として結界は動かすことができないはずなんだけど……」
「……なるほど、つまりあいつが持ってる角はそういうことなのか」
特異種のファイトブル。あいつに生えている黄金の角で魔法を唱えられるのだ。そして、その発動させた魔法は角に合わせて移動すると来た。
そして、結界魔法もそれ単体で厄介。結界の強度より低い攻撃の場合、一切ダメージが入らないのだ。
だがそれはいい。要は結界より強い一撃を放てばいいだけの話だからだ。
「遥斗くん、ちょっといいかい?」
「なんですか?」
「ここらで1回ちゃんと強いってとこを君たちに証明しようと思ってね」
「え、マジすか? 相手は特異種なんで、人数が多いに越したことはないですよ」
「んま、まかせとけって! 俺だって一応Aランクなんだからな!」
「よーし! このあたりで一発かましてやろうじゃないの!」




