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【3章完結】自宅が最難関ダンジョンの隠し部屋になった件〜隠し部屋で最低限学んだスキルは、どうやら地上では強すぎるらしい〜  作者: もかの
第1章.空をも切り裂く角

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第38話.レイジ 5

 ──15階層フロアボス、Cランクのリザードマン。


 1発ごとの攻撃の決定力はかけるが、自慢の素早さで戦場を縦横無尽に駆け回り攻撃してくる。

 Cランクの冒険者でもその素早さに対応できる人は多くない。そのため、前衛職が注意を引き付け、その隙に魔法使いが攻撃するという定石が出来上がりつつある。


 しかし、遥斗たちのパーティー、ハイドの魔法使いは絶賛オーストラリアの観光中。ここにいるのは戦う気のないガルムと剣士の遥斗。


 そして、今の遥斗の技術ではリザードマンにあの技は通用しないようだ。試しに打ってみるも以前のように体にあたり霧散してしまう。


「さぁ遥斗よ。あの技は効かない。武器も持ってきていない。どう戦うんだ?」

「いや別に武器はありますけど……」

「……え?」

「ん……?」


 ガルムのこの反応を聞いて、遥斗はすぐに察する。亜空間収納(ディ・ボックス)が一般的に使用されているスキルでないことを。


(あ、あー。そういえばこのスキルって隠し部屋にあるサラしか使えない書庫で手に入れたスキルだったっけ……? あと、あの剣も人目につくところであんま使うなって言われてたっけ……)


 つい口を滑らせてしまった遥斗だったが、ガルムはこう続ける。


「……うん、まぁレベルが高いし、めちゃくちゃダンジョン周ったときに、どっかの宝箱でなんらかのスキル書を手に入れたってことにしておいてやるわ」

「え、マジすか?」

「あの技以外に聞いてしまったら、頭がおかしくなりそうだわ……」

「あー……なんかすいません」


 もう既にガルムは脳の処理が追いついていなかったため、遥斗は助かる。


「まぁでも、別に武器は使わないですよ」

「え、マジ? 遥斗は剣士って勝手に思ってたんだけど、もしかして魔法使い?」

「なわけないでしょ。そしたら紬に前衛させないといけないじゃないですか。前衛が1番危険なのに、なんで可愛い妹にさせないといけないんですか。剣士に決まってます」

「おー、妹しゅきしゅきがすごいなぁ」

「ガルムさんの『しゅき』……おっぷ……」

「そろそろ一発殴っても許されるんじゃね……?」


 ガルムが涙目になってきているのを横目に、剣士の遥斗は魔法の準備をする。


 風属性の初級魔法ではあの技よりも威力は低いため、中級魔法以上でないときついだろう。


 遥斗は体内にある魔力を適性属性である風属性に変えるイメージをする。当初、ほとんどの人はこの感覚が体に染み込まず、魔法を使うのには苦労されたものだ。


 そうして風属性に変えた魔力を手に集める。


「中級魔法・突風(ブラスト)、10連発」


 遥斗の手から発生した10個の突風は、凄まじい速さでリザードマンに飛んでいく。通常、突風(ブラスト)の速さはリザードマンより遅いため避けられてしまうが、今回は使い手が悪い。


 だが、その練り上げられたその技術により、リザードマンが攻撃に気づいた時にはもう体は切り刻まれていた。


「よし」

「じゃねえよ!!!」


 遥斗はガルムに頭を叩かれた。


「いった! 何ですか!」

「こっちのセリフだわ! いろいろ聞きたいことはあるが、まずはお前の職業を聞かせてもらおうか?」

「剣士ですね」

「んで、さっき使ったのは?」

「魔法ですね」


 遥斗はまた頭を叩かれる。


「普通! 剣士は魔法を覚えねえんだよ!」

「えぇ!? なんでですか!」

「あのなぁ、器用貧乏って知ってるか? いろいろできても大体の人は全部中途半端になるんだよ!」

「だから俺も1週間しか魔法の練習してませんって!」

「え、1週間……?」

「え? まぁ……」


 ガルムは明らかに驚きの表情を顔に浮かべる。そして、また頭を叩かれる。


「よし、続き行くか」

「ちょっ……最後の叩きは?!」


 そのままの勢いで、Fランク冒険者の遥斗はレイジの最高記録を次々と乗り越えていき、最終階層である20階に到達する。

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▽▽▽異世界ファンタジーの短編です! めっちゃ面白いです!!▽▽▽
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