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【3章完結】自宅が最難関ダンジョンの隠し部屋になった件〜隠し部屋で最低限学んだスキルは、どうやら地上では強すぎるらしい〜  作者: もかの
第1章.空をも切り裂く角

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第28話.世界の声

 今日からついにアパートに住めるようになる。もちろん、アスタにある新築のものだ。


 紬の早く自宅でゴロゴロしたいという思いと、遥斗の自宅がほしいという願いから、すぐに宿暮らしからは抜け出すことになった。


 不動産屋で最後の手続きをし、今はその自宅に向かっているところだった。


「やっと……自宅の温かみをまた感じられる……!」

「大げさだな。ま、気持ちは分からんでもないけど」

「それにしても、冒険者の職業に就く人増えてきたね〜」

「不安定な収入とはいえ、最弱のスライムの魔宝石ですら1個1000円で買い取ってくれるからな。魅力的すぎるんだろう」


 そんな他愛のない話をしていたその時、ダンジョンでしか聞いてこなかったあの声が頭に響く。


『全世界の皆さん、こんにちは』


 普段なら身構えることもなくなった聞き慣れた声だったが、ここはダンジョン外。本来聞こえるはずのない場所だ。と言っても2人はこの声に悪意がないのは1ヶ月以上も前から知っているため、特に気にすることはない。


 しかし、驚くべきことは他にあった。周りにいた冒険者だけでなく、携わったことのないであろう人々も足を止めていたからだ。


『心配しないで下さい。害を与えるつもりはさらさらありません。ただ、お伝えしたいこと──最初で最後のお伝えしたいことがあったまでです』


 周りの冒険者はまだ疑問に思いつつも、足をとめ言葉に集中し始めた。


『賢い人間の皆さんならお気づきかもしれませんが、この世界に現れたダンジョンの中でも一際難しいダンジョンが7つあるかと思います。皆さんにはそれらを攻略していただきたいのです。日本にある最難関ダンジョンから順に、アメリカ、ロシア、イギリス、ドイツ、エジプト、そしてオーストラリア。皆さんになら、攻略できると信じています。では、また──』


「おかしい、な」

「だね」


 2人はすぐに異変に気づく。周りの冒険者は「なあんだ、そんなこと言われなくとも分かってるわ」と言いつつ、歩きはじめていく。


 2人はアパートに向かいつつ話し合う。


「紬はどこがおかしいと思う?」

「あれかな。主要ダンジョンを攻略するように促してきたところ。周りの冒険者さんも言ってたけど、そんなことを言われなくてもやってた。だからこそ、主要ダンジョンの攻略には何か別の意図があるんじゃないかなって」

「なるほどな。それもだが、俺は『それではまた』のほうも気になったな。『最初で最後』って言ってたのに、『また』って言うってことは、あの声の主に会えるってことなんじゃねえかと思った」


 ──……結局、何が言いたいかというと。


「ま、詳しいことはどうでもいいけど、変わらず俺らの目標は主要ダンジョン攻略ってことで」

「うんっ!」


 後にこの声は、【世界の声の大号令】と呼ばれ、歴史に刻まれるのであった。

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