第24話.ファスト 3
2階層──。
ぱっと見る限り、1階層のスライムゾーンからオークゾーンに変わっただけのようだ。
「オーク程度ならまだ魔法を使う必要もないね!」
そう言って、紬は目に入ったオークを片っ端から倒していった。
そしてそのまま何事もなくボス部屋に。
「ここは……オークジェネラルか」
オークジェネラルは2人が目に入ると、「があああああああ!」と雄叫びを上げ襲いかかってくる。Eランクパーティーが力をあわせてやっと倒せるレベルと言われている。
スライムキングと移動速度はさほど変わらないが、普通のオークより巨大な棍棒から振り下ろされる一撃は重く、とても慎重に戦わないとDランクパーティーでも全滅する可能性がある魔物だ。
──が。
「めっちゃ久しぶりに見たわ」
「ね〜。ま、すぐにお別れだけど。はい、ドーン!」
「があああああ、あ……あ……?」
例のごとく、瞬殺。
オークジェネラルも何が起こったのか分からずに消滅した。
「おっ! お兄ちゃん、また扉出たよ!」
「やっぱ初心者用は初心者用すぎるな……」
そうして2人は3階層──ファストの最下層へと降りていく。
──この時の2人は知る由もない。世界を見渡してもオークを倒せるとされている冒険者は100といないことを。




