第17話.初ギルド
人の多い道をはぐれないように進み、やっとの思いでギルド前に到着した。
主要ダンジョン前のギルドということもあり、かなり大きめの建物だ。そして、それに見合った冒険者の数。
今も出入りしている冒険者がいる中、なるべく邪魔にならないように2人もギルドの中に入る。
中はアニメで見るようなギルドとは全然違かった。
まず、クエスト掲示板がない。
ダンジョンがあるからには魔物の素材や中に生えてる植物は買い取ってもらえる。かなりいろいろなことに使えるそうだ。
そして人手を確保するためにアニメのようなクエストを設け、クエストを受けると依頼達成報酬も追加でもらえる仕組みになっているという話はサラから聞いていた。
なので2人ともクエスト掲示板を想像していたが、どこにも見当たらない。
「おっ、その様子を見るに初心者か?」
2人が右往左往していると、ギルドに入ってきた色黒のとてもガタイの良い人が話しかけてくる。身長も高く、180〜90cmくらいはあるように見える。筋肉ムッキムキだ。
「そ、そうなんです。えぇっと……」
「ん? あぁ、俺はガルムだ。もちろん、偽名だけどな」
「偽名?」
「おっと、ほんとに何も知らないようすだな。俺は今日は暇だし、よかったらギルドについて話そうか?」
「え、いいんですか? それなら是非頼みたいところです!」
「がははははは! いいってもんよ!」
そう言ってガルムさんはにこっと笑う。
偶然にも情報源にたどり着けた2人は、ギルドの隅に用意されているテーブルに向かった。




