第16話.アスタ
魔法陣から地上へ行き、光が収まってくる。
以前と同じくアストラルの入り口前に転移してきた。が、以前と違う点が1つある。
──規模は小さめだが新しい街ができており、大勢の人でごった返していた。
その光景を眺め、遥斗は改めて思う。
(透明化、あってよかったああああああああ!!!)
透明化のおかげで、【アストラル前に転移してきた謎の兄妹は一体何者だ?!】みたいなことにはならなくてすんだ。
「すごいね〜! ダンジョン用の街が出来てるよ!」
「いろいろ探索してみたいところではあるが、一旦離れてからまたくるか」
「ん!」
そうして2人は人気がないところまで離れるのであった。
☆
透明化を解き、2人はまたアストラル前の街に戻ってきた。
まだ道路は開通しておらず、街の入り口には異世界感漂う看板があり、『アスタへようこそ!』と書かれていた。どうやらこの街はアスタと名付けられたようだ。
「あっ! 見てみてお兄ちゃん! あそこ、ギルドがあるよ!」
「おっ、マジで? 俺も気になるし覗いてみるか」
そうして2人はギルドと書かれてある建物に足を運んだ。おそらく行方不明となっているだろうが、なぜ生き残れたのかと説明するのは難しいので、市役所(があるのかは知らないが)への報告はしなかった。




