第11話.再び隠し部屋に
2人は誰にも見つからないようにアストラルまで戻ってきた。
そして、アストラルの周辺にも人がいないことを確かめてから転移結晶を……。
「……これどうやって使うんだ?」
「さぁ……」
『あ、言ってませんでしたっけ? てへっ!』
遥斗は今すぐツッコみたい欲を抑えながら、転移結晶の使い方をサラに教えてもらう。
「紬、これを首から外して手でもって、テレポートって言えば隠し部屋に戻れるらしいぞ」
「はーい! えっと……手に持って、テレポートっ!」
すると転移結晶を握った手から光り始め、紬の体すべてが光に包まれた。
光が収まると紬はいなくなっていた。テレポートに成功したのだろう。
遥斗はもう一度周りに人がいないことを確認したあと、紬と同じように隠し部屋に帰った。
☆
遥斗も隠し部屋に帰ってくると、それに気づいたサラが遥斗のもとに飛んできた。
「遥斗さん! おかえりなさい!」
「ただいま。地震が起こってからまだそんな時間が経ってないし、あんまり得られるものはなかったな」
「まぁ1時間で大量に情報が分かってても怖いけどね」
そう言って遥斗は椅子に座ろうとする。椅子に……。椅子…………。
「……サラ、ここってもしかして家具とかない?」
「面白いこと言いますね〜! ここは一応隠し部屋ですよ? 家じゃないんですから、家具とかないですよ〜!」
遥斗はすぐにまた家を買おうと心に決めるのであった。




