第103話.アナスターシャ 5
はじめの石造りの空間に戻ってきた。
ちょうど同じ頃にブライト、強靭な刃の2パーティーも戻ってきていた。
全パーティーとも、かなり早い時間でのデクシア攻略となった。この空間にいる他の冒険者たちも、動揺を隠しきれていない。
「倒すだけだったから、簡単だったね」
『ま、ここまでは前座だからな』
「ですね……問題はこのあとですよね……」
遥斗はそう言って、この空間の最奥部にある最後の扉に目を向ける。
アリステラ、デクシアと何ら変わりない扉。そのはずなのに、異様な雰囲気と物々しい雰囲気、そのどちらもを放っているようにも見える。
あの部屋に入った冒険者の数がかなり少ないという事実も、そうさせているのかもしれない。
「もうあの部屋に入れるんですよね?」
『あぁ。左右の部屋のボスを倒すことが条件だからな』
「最悪運でたどり着けるから、数人はそこまでたどり着いたんだね」
そう。ほとんどいないだけで、ごくわずかな人数は3つ目の部屋──プリンまで辿り着いているのだ。
しかし、驚くべきことに、プリンを攻略したのはブライト、ただ1つなのだ。
『おそらくだが、Sランクの冒険者がいるパーティーならプリンも全然余裕でいけると思うぞ』
「それをAランクの人が言わないでよ……めちゃくちゃプレッシャーじゃん……」
『スーザなら余裕だろ』
「にっこにこで言わないでもらえるかなぁ」
「お、おい……もう3つ目の部屋に向かってるぞ」「なっ……早すぎるだろ!?」「さすがすぎるね……」「あれがブライトと強靭な刃なのか……」「どんな会話してるのか気になるぜ……」「すっげーレベル高い会話してるんだろうな……」「うおっ! ホリーが悪い笑いしてやがる……」「きっといい作戦を思いついたんだろうな……」
ふざけた会話をしているなんて思いもせず、周りの冒険者は口々に言い合っている。全くの的外れであった。
そんなことを遥斗が感じている内に、プリンの扉にたどり着いていた。
『あ、いい忘れてたけど、プリンはこの11人全員で挑めるぞ』
「「「「勝確じゃん!!!」」」」




