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四十六から五十
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長友だ 変わる通貨の 裂く過去か 草の香移る 若袂かな
ながともだ かわるつうかの さくかこ(か くさのかうつる わかたもとかな)
47
夢なら去れ 民は問いの樹 悩み食み 家無きの井戸は 乱れさらなむ
むならされ たみはといのき なやみは(み やなきのいどは みたれさらなむ)
48
二度小冬 差あり泣く夏 葉陰池 蛙なくなり 朝夕毎に
にどこふゆ さありなくなつ はかげい(け かはづなくなり あさゆふことに)
49
村を庇護 川ぞ玉手で 他へ示し 隔ててまたぞ 我が恋をらむ
むらをひご かわぞたまてで たへしめ(し へたててまたぞ わかこひをらむ)
50
村草の 名は果て危機を 回向乞う 声を聴きては 花の咲くらむ
むらくさの なははてききを えこうこ(う こえをききては はなのさくらむ)