「それでも私は彼女が好き」その2
「はぁ、はぁ、はぁ」
商業区からスラム街に入った場所で出会った私達だがあの頃は酔っ払って道もロクに覚えていない、私は何となく私が行きそうな場所に歩くとそこに彼女がいた。
「どういうこと?」
だが彼女だけじゃない、ユイさんは誰かと話しているのか冷気を帯びた声で言葉を返す。
私はすぐには行かず様子を窺おうと呼吸を整えて覗いて見る、もうすぐ夜だ。
「この商業区には来るなと、関わるなと言うことだ」
「訳わからない、明日が何かあるの?」
死角のせいでユイさんしか見えないが男の人の声が聴こえる。
「忠告は以上だ、ユイ、お前が言わないとユカリ達に被害に被るだけだ」
私を知ってる!?それにどっかに聴いたことあるような?
「知らない、ユカリちゃんなんか・・・」
「成程、決裂したか?」
男の人に混じって女の人もいる?
「違う、ユカリちゃんが馬鹿だから」
「まぁいい、別に死んでもいい女ということだろう」
えっ!?
「・・・そうだろ、ユカリ?」
男の人の言葉に私は心臓がドキッと鳴った、いつバレた!?
「クラフト」
「了解」
女の人が頷くと突然辺りが眩しくなり私は咄嗟にユイさんたちの前に逃げた。
直後私が隠れていた場所が光魔法なのか一撃で風穴が空いた。
「う、うっそ?」
危うく木っ端微塵になりかけた、私はユイさんの前に出る。
「ユカリちゃん」
何しに来たの?と言いたげな冷酷な眼差しに心を痛めるが今はそんなことしてる場合じゃない。
「わ、私達を殺す気なんですか!?」
はっきりと言葉にするも二人は無表情で微動だにしない。見なくても何となくで分かる、この人達尋常じゃないくらい強い!
「ふむ、弱者である見掛け倒しリーダーか武器も無いのに立ち塞がるか」
二人は武装をして違法品である銃も持っている、常識が通じる訳がない。
「こ、怖くないよ!!ゆ、ユイさんにくらべべべたら!!」
声が震えているのがバレバレだ、二人の攻撃が始まると思っていたが武器を降ろした?
「全く勘違いするな、俺達は忠告しにユイを呼びに来ただけだ」
ユイさんを?私はユイさんの顔を見ると不安な表情を浮かべる。
「この際リーダーであるお前でいい、明日は商業区には来るな」
商業区?何でと聞き返したいが男の人達はそのまま後ろへと下がって行く。
「ま、待って!!どういうことなんですか!?」
意味がわからない、男の人達は踵を返すことなくそのまま闇の中に消えて行った。
「ユイちゃん大丈夫!?怪我は無い!?」
私はユイさんを方へと顔を向けると邪魔者のような、目で私を見下していた。
「ふん」
そして同じく踵を返そうとするユイさんを私は抱きついた。
「何?」
今にも振り払われそうな態度に私は目を瞑ってギュッと抱き締める。
「・・・ひゃ!?」
「お願い、話を聞いて!」
私は強く締めるが一瞬で解かれてしまう、私は諦めず根気強くユイさんとお話をしようと奮闘する。
「ユイさん」
何度やっても簡単に解かれてしまう、それでもしつこく粘るといい加減しつこいと漸くユイさんは振り向いてくれた。
「良かった、嫌われたのかと思ったよ♪」
「無理矢理振り向かせといてそれだけ?」
あの人達の発言は気になるけど今は取り敢えずは・・・
「お家に帰ろ♪」
その言葉にユイさんは素直に同意した、道中一度も会話もせず手を繋ぐこともしなかったけど何だか初めて出会った時みたいな懐かしさを思い出す私であった。




