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幻影道R 第八巻   作者: SAKI
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「それでも私は彼女が好き」その1

 読み始めて数分、とあることに気付いた。


「これ・・・本当に日記?」


 主語が存在せずどちらかと言うと記録データみたいな日記だ。


・今日彼女はサラダを食べた、頬張る姿が可愛い、好きなのだろうか?


・彼女の服装はどうして際どいのか?スカートは確かに可愛いがほぼ捲れてるから私を誘惑してる?


・彼女は一体何が目的で私と一緒に行動しているのだろうか?数日前はあんなに飄々としていたのに。


 何だろう・・・既視感と言うのかな?出来事は覚えてないけどスカートで捲れて見えてるって私みたいなミニスカートの話?しかも派手な格好ってまるで私のデータが書き記された内容ばかりだ。


 私はそのまま読み続けると必ず最後の一文が変わって行ってる。


「ユカリちゃん可愛い、あの娘の笑顔が今の私の癒やし、私が傍にいて一番安心できる娘」


 これって・・・・!!


・今日もユカリちゃんが可愛い、ミニスカートから見える太腿がむっちりしてて愛おしい、今日は捲れない?


・ユカリちゃんは濃い目の味付けが酒に合うと喜んでいた、でもそれはノアが作った食事で私じゃない、ズルい。私も味付け変えて酒にしようか?


・私に配慮してユカリちゃんは酒を呑んでくれない、味付けも微妙な反応・・・沢山勉強してユカリちゃんの大好物まで作り直したのに・・・


・ユカリちゃんに言われた、無理して変えないで私の思うまま作って飲み物は水かミルク、フルーティーな香りの飲み物でもいい、お酒は歯止めが効かないからお金を無駄にしてしまう、私に迷惑はあまり掛けたくない。


・いつもに戻したらあの笑顔を見せてくれた、可愛い、可愛い可愛い可愛い可愛い、自然と口角が上がり恍惚とした表情と蕩けるような甘く柔和な感覚になる。


・今日もユカリちゃんが可愛い、またあの笑顔が見たい、大好きなあの笑顔。


 彼女は私の事をこんなにも考えて・・・最後の日記の日付は・・・今日だ。


・お願い、ユカリちゃん泣かないで、悲しそうに諦めた顔をしないで、胸が痛くて苦しくて大好きな笑顔を失くさないで、私はユカリちゃんの馬鹿で抜けてて馬鹿みたいに服を買って喜んで皆をまとめてる姿を見れれば何も要らない、()()()()で待ってるから、もし気持ちが収まったら来て。


 ユイさん!!私は最後の一文を残してあの場所に全力で走る、怒られようが関係無い、私はゴミみたいな性格で凹む時は情けないけど。


「私は、それでもユイさんが好きなんだ!!」


 悩んでいられない、ユイさんが待ってるんだ!私のあの笑顔を見たくて悲しんでいる、私だってユイさんが泣いてる顔なんか見たくない、ネガテイブは私を殴りたくなる。


 大好きな仲間がいつもの私に戻るのを待っている、それだけで私の存在価値がある。


 私は初めて出会った行き付けだった酒場から少し離れたスラム街へと全力疾走するのであった。

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