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幻影道R 第八巻   作者: SAKI
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「それでも私は前を向く」 その4

「ふい〜久し振りに外に出たから足がパンパンだ」


 ノア先輩は忙しくて早めに戻り門限前には帰ってこれた、何故かユイさんは治るまで看病すると言って今横にいる。


「あはは、皆は私なんかいなくても全然平気そうだなー!」  


 渇いた声でまるで嘆いているような言葉が出てしまった。

 

 だって・・・皆キラキラ輝いていたから、皆少しずつ変わって行ってる。


 ゼーナちゃんは行方が分からなかったけど多分依頼かな?ノア先輩のお店も繁盛しててサナエちゃんは元気そうでもうちょっと労って欲しかったけど甘えはダメだもんね。


 私はベッドに倒れ込むようにうつ伏せになる。


「・・・私なんかいなくても皆頑張れるじゃん」


 皆やれば出来る子なんだ、怯えて前に出れなかったり強く推したら何とかなりそうだ。


 ユイさんも・・・だらしないけど直したら完璧に近付いちゃうかもしれない。


 私・・・居る意味あるのかな?


「駄目だ、最近はネガティブの思考になりつつあるな」


 私は身体を起こして気持ちを切り替えようと両手で頬を叩く。


「った〜!?やっぱり痛いものは嫌だね」   


 気合を入れ直して早く帰れるよう努力しないと。


「ユカリちゃんは何も分かってないのね」


 虚しい独り言をぶつぶつと言っているといつの間にか横にで寝ていたユイさんの瞳が開いていた。


「ごめん、気づかなかった」


 いつから起きていたんだろう?もしかして最初から?ユイさんは突っ伏したまま顔だけ上げる。


「いいのよ、ユカリちゃんは自分の魅力に気付かないものだからちょっとげんなりしたわ」


 そ、そんなに!?私って言う程役に立ってるのかな?


「ご、ごめんなさい・・・えっと、教えてくれないよね?」


「当たり前」


 き、厳しい・・・でもそんなの第三者目線じゃないと気付かないよ。


「はぁ、相変わらず駄目な娘ね」


「ご、ごめんね・・・頼りなくて」


 謝ってばっかりで何も解らない、皆がどう思ってるかなんて言われても気付く方法が思い浮かばない。


「はぁ、釈然としないわね・・・私にそんなに溜息を吐かせたいの?」


「うぅ、ごめ・・・じゃないや、さっぱり解らないよ。だって皆どんどん成長してるし依頼だってこなしてるし私なんかいなくても・・・」


 駄目だ、これ以上口に出すのは本気で嫌われる、でも頭の中で抑えようとしても言葉が出てしまう。


「私なんか・・・死んでも誰も心配なんかされないよね」


 あぁ、言っちゃった・・・私は戦闘も強くないし頭は悪いしリーダーシップも欠片もないし魔法は中途半端、要領も悪い、こんな女生きてても価値なんかないのではと頭の中で疑念が膨れ上がり今にも破裂寸前になっていた。


 破裂しなかったのはまだ心の中で皆は私がいないといけないと前向きな考えだから耐えられたのに・・・


 感情が抜け落ちるような感覚がだんだんと染み付いていつの間にか私は”諦める“ことが普通になっていた。


 多分嫌われたと心の中でまた諦めた私に振りかざされたのは平手打ちだった。

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