徒花と死の花の章「子虚烏有の物語」その6
あの日からアプローチを試みるもやはり難しい。
ある時は巨大な牛を担いできた時。
「私からの想いよ」
「重いよ!?ぐぎぎぎ!!??誰か助けてぇ!!」
ある時はビックリ箱を。
「ひゃあ!?針!?火薬!?殺す気!?」
ビックリ箱の中に爆弾や破裂針袋に猛毒針、ドキドキしてくれると思ったら割と怒られた。
それなら色気だらけの下着を着て誘惑。
「ひゃぁぁ!??そ、それ下着!?」
下着の箇所に引っ張った脱げるぐらいのリボンだらけにして私の個性を出したら赤面しながらも遊んでくれたみたい。
私の愛は受け取ってくれて良かった。
でも何故かユカリちゃんの距離が更に遠くなり一歩進んだら十歩下がった。彼女の理解は難しい、【拒絶】されるくらい仲になった。
「も〜!!ユイさん悪戯禁止〜!!」
散々頑張ったけどユカリちゃんが怒るばかりで私は少し勉強できた、愛の強要は破綻に向かう。
次からは近すぎず遠すぎず絶妙な距離感を狙ってみたい。
「ユカリちゃん」
「ほえ?どうしたの急に名前なんか呼んで?」
「ふふ、可愛い名前ね」
「??」
少しずつ、ちょっとずつ話していけばいつかは私の事を愛してくれるかしら・・・トントン拍子で手に入れた日常も悪く無いわね。
「そういえばユイさん殺し屋辞めたの?」
「稼ぎが厳しいからもう少しやることにしたわ」
「え、えぇぇぇ!?」
「大丈夫、ノア先輩に頼んでグレーゾーンギリギリのラインでやってるから」
「それはクロだよ!?」
まだ生きていくにはまだ難しいけど貯金も考えたけどユカリちゃんが甘えてきそうなので隠すことにした。
「ユカリちゃん、愛して」
「無理でーす☆」
私の行動が悪かったのかユカリちゃんとの親密度が初期に戻った気がする。
人間関係って本当に難しい。でも、ユカリちゃんといると毎日あの笑顔が胸をざわつかせる。
もっと貴女を見たい、次は何する?何がしたい?貴女はどうする?どんな時に笑うの?私、ユカリちゃんの傍にいるだけで退屈しないの、貴女の笑顔を見るだけで嫌なこと全部忘れられる。
ずっと一緒にいられたら何も要らないのに・・・
徒花と死の花の章 第一章 終




