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幻影道R 第八巻   作者: SAKI
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「シスターズ」その4

「この度は誠に申し訳有りません!!」


 ノア先輩は涙を零しながら皆に謝っている、腹黒で良くわからない人だけど純粋でピュアな心から零れる涙は嘘だと思わない。


「気にしないで、ノア先輩があんなに怒るなんて知らなっただけだから」


「そうだぜ?それに怒る時は相手に恐怖を与えるくらいが丁度良いってもんだぜ、なぁ?」


 酒場の人達はノア先輩を宥めるとまた賑やかな雰囲気になっ―――― 今昼だよね!?


「ユカリちゃん!本日は本当にごめんなさい!!もしあの時手を出していたら私のお店に泥を塗るところでした、ありがとうございました!」


 その風向きは私に向かって飛んできた。


「うわ、見えそうだ―――― いでででで!?悪かった!!」


 ユーゴ君は場所と雰囲気を弁えておらず破廉恥な発言をしようとしたので耳を引っ張ってやった。


「ううん、それよりどうして口論に?」


 私の言葉にノア先輩は最近の依頼について語った。


 最近同じ依頼ばかり掲示板に貼られノア先輩は怪しんで気配を殺してその人物を特定しようと見張っていた所であのやる気の無さそうなシスターズの隊員が面倒臭そうに貼っていたのを目撃して突きつけた所で何度も逃げられたりセクハラをしてその場をやり過ごしたりと卑劣極まりない事にノア先輩の堪忍袋の緒が切れたらしい。


 あんなに怒られても毎日来るなんてシスターズってそんなに忙しいのだろうか・・・いや、違う。


 そもそも最近シスターズの格好をした人を見ていないと言うことは・・・


「ユーゴ君、今日来た目的は君に調べて欲しい事があるんだ」


 私はユーゴ君にシスターズについて黒い噂や怪しい動きをしてる人について頼み込む。


「ん〜一万ベルならいいぜ?」


「えっ高っ!?」


「黒い噂が立つならそれなりに貰わないとな」


 商売だから真剣な眼差しで言われてしまった。恐らく危険が伴となうからだろうと判断した私は苦渋の末泣けなしの一万ベルを払うことにした。


「これで中途半端だったら私、暴れるからね?」


「心配すんなって!ユカリが知りたそうなもんなら確保済みだぜ?」


 ユーゴ君はお金を受け取ると早速お仕事モードで語り始めたのだった。

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