「傷」 その3
私は死んだ、私は瞳を閉じて走馬灯のような映像が流される。
私は死んだ、何もない所で瓦礫の下敷きになり約束を果たせなかった。
私は死んだ、死んだらどうなるんだろう?天国?地獄?それは行ってみないと分からない。
「・・・・ちゃん!!―――――― ん!!」
誰かの声が聴こえる。
「こら!!起きなさいよ!!ユカリちゃん!!」
あれ?サナエちゃん?それに目が開けられる、私はゆっくりと目を開けると信じられないことが起こっていた。
私が撃ち落とした看板が私の目の前にも落ちて狂人達を全滅させていた。
おかしいな、絶対に直撃したはずなんだけど・・・というよりさっきの声はサナエちゃんだよね?
顔を動かすとそこには膝枕をして私に呼び掛けていたサナエちゃんとカイト君の姿を発見する。
「目が覚めたかい?」
「ったく、見回りしてたら突然銃声が聴こえてたら何事かと来てみればアンタが倒れてたんだもん」
身体は動かないが状況は何とか飲み込める、違和感はあるが恐らく誰かに助けられたんだろう。
「うっぐ……ユイさん」
私は大切な仲間を探そうとしても力が入らない、サナエちゃんはそれを察して捜索する。
「今は肉体に深刻な負荷がかかってるから麻酔を使ってるよ」
私がユイさんを心配してる中でカイト君がこっそり教えてくれた。
「だから力が入らないんだ」
「サナエちゃんが動揺して“ユカリちゃんが!!どうしよどうしよ!?し、死んでないわよね!?”とか言ってて凄く可愛かったよ」
なんと、サナエちゃんは相変わらず優しいな、何故モテ無いのか分からないけど・・・性格の問題かな?
「カイト!ユイが倒れてるから今すぐ病院に!仲間等を呼んで来なさい!」
大声で響くサナエちゃんにカイト君はやれやれと嬉しそうに私を抱き抱えてくれる。
「さてさて、行こうか♪」
私はカイト君に運ばれながらも少しだけ恥ずかしい事を言ってしまった。
「なんか付き合ってるみたいだね♪」
「んー?そうかな?」
内心は少しドキドキしてるけどカイト君はうんともすんともいかない。
「サナエちゃんにもしてあげたら?」
「えー!重いしな・・・いただだだだ!?」
顔は少し動くので頬に噛み付く。
「女の子を重いとかブスとか傷つく事言わないの!褒めてくれる人が嬉しいから今後はもっと柔らかく優しく伝えてね?」
「あはは、ユカリちゃんに怒られちゃったね?」
爽やかな笑顔で謝るカイト君は見掛けに反して物凄く生真面目で誠実だ、サナエちゃんが好きになってから五年ぐらい経つのに未だ関係が進んでいないのはどっちもどっちなのかな。
私は少しだけお説教を加えると話し終える頃には眠ってしまった。




