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幻影道R 第八巻   作者: SAKI
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「傷」 その2

 ユイさんを抱えての攻防だなんて最初から無理だった、私の武器は片手剣、盾こそ無いが珍しい武器【トリックバスター】を片方の腕に装着しているけど抱えているのは使用していない武器、つまりはトリックバスターの方で剣を持ってるのも装着した武器のせいで思うように戦えない、ユイさんを守るために方を噛みつかれ、太腿や腹には剣を刺されて血を抜かれてるような血液が流れ出る。


「何で銃が当たらないの!?」


 仕方なく銃を構えても全く当たらない、こんなの撃ったところで付け焼き刃にしかならないか。


「死ね!!」


「死ね!」


「死ね死ね!!死ねぇぇ!!」


 まるで呪いのように叫びながら全力で殺しに来る。


 油断すら許してくれない、四方八方からの攻撃にどんどん体力と血液だけが削られていく。


「はぁ!・・・・はぁ!!何か、何か手は!?」


 血がせり上がるのを我慢して集中し、辺りを見回すと頭上の看板の接地面が錆びれて今にも落ちてきそうなのを見つけた。


 でも私の攻撃手段で壊すことは出来ない、そんな余裕もない。


「四人同時は避けられないだろ!?」


「くたばれ食いもん!!」


「さっさと血肉になれクソガキ!!」


 まずい、囲まれて一斉にナイフ持ちが突っ込んでくる!!私は気を張ってユイさんをなるべく当たらないようにキリちゃんからもらった緩衝材ありの錬金術【ソフトクッション】と一緒にまたまた錬金術師【サイクロンホイール】という装置を点火すると凄く雑に吹き飛びユイさんを受け止める予定の物は何処かへ飛んでいき、ユイさんを大木にぶつけてしまった。


「ユイさんごめんなさい!!」


 私は作戦失敗して驚いていると四方八方からナイフが突き刺さる。胸元、腹に背中、横脇、深く刺さり視界が一気に暗くなった。


「ま、まだ・・・死ねない!!」


 内蔵へのダメージは甚大になり口から血を吐き出しながら錆びた看板へと歩む、視界がぐらぐらして吐き気が止まらないが背後から石を投げられ、矢を放たれても尚、私はギリギリのラインにまで引き付ける。


「お願い!!当たって当たって当たって当たって当たって当たって〜!!」


 神頼みでトリックバスターと銃を乱射する。一発も当たらずついには大きな鉈で片腕が切り落とされる。


「ぐっ!!お願い!!当たって〜〜〜!!!!」


 もう駄目だ、視界はほぼ真っ暗、私は死を覚悟して下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの名のもとに最後の一発で看板を落とすことに成功した。


 勝てると思った私だが落ちる直前に気が付いた、看板は“敵”に向かってではなく“自分”に落ちて来ることを・・・私は死んだ。


 位置を全く気にせずいつの間にか逃げる方向が逆になっていることすら気付かず私は最後まで馬鹿だった。

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