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幻影道R 第八巻   作者: SAKI
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徒花と死の花の章「子虚烏有の物語」 その3

「おりゃあ〜!!」


 ズバ!!バキ!!


「ふんぬ!!」


 メリメリメリ!スパンスパン!!


「ふぁーあ」


「ちょっと待って、ユイさんサボってない!?さっきから欠伸の声と眠たそうにしてない!?」


「きのせーよ」


「やっぱり眠いんじゃん!!」


 ユカリちゃんが華麗に武器と私命名の遺跡から手に入れた【トリックバスター】を使いながらセイシシとマンマルキノコを大量獲得して張り切っている中私は面倒くさいのでただ麻袋持ってるだけ。


「私は肉を切ったりキノコの保存してるから頑張りなさい」


「そっか、ユイさんも頑張って―――― それ私と連携しながらの方が効率良くない?」


「フレーフレーユカリちゃん (棒読み)」


「殺しと戦闘以外はやる気ゼロなんだね!?」


「ふぁーあ」


 欠伸が出るほどぬるい仕事、何で誰もやらないのか不思議なくらい。


 生命の森は外に出てすぐでそこまで時間を掛けることなく麻袋に詰めれるだけ詰めて持ち帰ることにした。


 初めてのちゃんとした依頼に頑張るユカリちゃんはとても初々しくていじらしかった。


☆★☆★ フェルトの鍛冶屋


 それでも討伐や採取に時間が掛かり夕方、私は依頼通りに品物を届けると驚かれた。


「こんなに沢山!?これはお礼しないとね♪」


 そう言ってフェルトさんは私に色んな武器とミルクの入った大きな瓶を一本貰った。


「ありがとうございました〜♪」


 お礼を返すとフェルトさんは気持ち良く手を振ってくれた、ユカリちゃんは機嫌良く私の前に来て喜んでいた。


「ん」


 そして私はいつも通り荷物持ちを率先する。


「この後の依頼は?」


「無いよ?最後にノア先輩に挨拶して今日は終わりね」


 たった一件で?と呆れる私にユカリちゃんは少しずつ頑張るもん!とだけ言って酒場に戻った。


☆★☆★ 酒場フレシア


 背負う程大きいミルク瓶を降ろしているとノア先輩は丁度良さそうに目を輝かせた。


「いらっしゃいませ〜あの〜そのミルク瓶で私の試作品の飲み物にさせてはくれませんか?」


 ノア先輩の発言に私は試作品?と小首を傾げるとノア先輩は何やらカウンター奥から何やら変な粉を持って来た。


「調味料?」


「いえ、正確には混ぜ物ですかね?」

 

「もしかしてそれイケない粉?頭がハッピーになるやつ!?」


「そうですよ〜?これを含むと皆エッチになってエッチなことしか考えられないドスケベで破廉恥淫乱になるんですよ?“色々な口”はもうガバガバになりますよ?」


 ノア先輩の下らないこと冗談をモロに受けてるユカリちゃんは顔を真っ赤にして慌ててる、その光景を見続けるのは悪くないけど早くそれを飲みたいので話を切る。


「茶番は終わり?」


 だがそれもノア先輩の冗談だと知り怒りながらノア先輩を問い詰めると舌を出しながらごめんなさいというあざといしぐさにはちょっと心がキュンとしてしまうお茶目なノア先輩だった。


 たまにおばさんかどうか怪しくなる程綺麗な笑顔を見せてユカリちゃんはメロメロになってる、バカね。

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