「元お姫様を仲間にしよう!」その10
「うわぁぁぁぁんのあっち!!」
身も心もボロボロだが何とか迷いの森から抜け出せた私はエミちゃんと一緒に酒場まで戻ってこれた。
何年も帰れなかったのかノア先輩を見ると大泣きしながら胸に飛び込んた。
「お久し振りです、最後に会ったのは十二年前ですかね?」
「そーだっけ!?のあっちいつの間にか酒場経営してたの!?」
「数年前ですけどね♪」
久し振りの友達に和気藹々と会話が弾んでいる。私は疲労と身体がズキズキする痛みに堪えて椅子に腰を掛けながら会話を眺めている。
ちょっとだけ眠くなってきた、久々の酒場と緊張感が解れなくて安心しちゃったのかな、いつの間にか瞼が重くなって瞳を閉じていた。
☆★☆★
「ユカリちゃん、おき―――― 」
「はっ!?」
私は仕事の最中で寝てしまい飛び上がるように起きると同時にユイさんらしき顎と頭で衝突してしまい二人揃って患部に悶えている。
「ゆ、ユカリちゃん・・・まさか私を殺そうと?」
「そんな訳・・・無いじゃん・・・いてて」
息ぴったりの一撃により私は覚醒してあの後についてユイさんに聞くことになったのだが物凄く不機嫌だったから何でもしていいよと言うとユイさんの甘えに悶えながらもメロメロになりながら話を聞いた。
「そっか♪ユイちゃんが借金払ってエミちゃんのお家に帰れたんだ」
お外はもう真っ暗になったけどノア先輩は可愛い後輩の為にもてなしてくれた、やっぱりノア先輩は優しくて憧れるお姉さんだ。
「うん、皆疲れたから今日はゆっくり休んでから後日エミの家に集合ね♪」
耳を舐められたりスリスリしてきたりと人がいないから良かったけど酒場で官能的な行いをするのは少々恥ずかしいかも。
「ユイちゃんはどうするの?」
「私はユカリちゃんが行くから別件で仕事しに行くわ、えへへ♪」
この人可愛くなり過ぎじゃない?完全に私に甘えモードだから私だって勘違いしちゃうよ?
私はあの後の顛末を全て聞き終えるといつものユイさんに戻ってしまった。
「それじゃあね、早く寝なさい、ノア先輩にも迷惑掛けたからお金は増しにしておいたから・・・あんまり遅くならないでねユカリちゃん」
さっきのムーディーは何処行ったんだろうか?というよりあんな切り替えが出来るのなら素で甘えてくれればいいのにと食事を楽しみながらノア先輩に最後に挨拶を交わす。
「遅くまでごめんね、ノア先輩も眠いよね?」
「うふふ、多少は・・・ですよ?」
ノア先輩に申し訳無いと言おうとしたが何故かノア先輩は私に擦り寄ってきた。
「ユカリちゃん、可愛いですよ♪」
耳元で甘くねっとりとした声に私は一気に体温が上がり距離を取る。
「私にもそういうことして欲しいですね♪」
「の、ノア先輩??」
どうしたんだろう、ノア先輩はまた私に近寄り更に至近距離の耳元でこう囁かれた。
「私にももっとぐいぐい来ていいですからね♪」
ねっとりとして甘美なる柔和で物腰柔らかい声質に頭の中がパンクしてしまい私は逃げるように酒場を出ることにした。
「ええええっと!!今度お酒でも呑まうね!!それじゃあ!!」
ノア先輩、ノア先輩ってもしかしてえ、えっちな人なのかな?気の所為だよね??近寄られて太腿を手に当てて私の事抱き締めようとしてくれたのか、それとも別の目的があったのかはもうどうでも良かった、一刻も早く頭を冷やして寝ようの一点張りですぐさま帰ることにした私だった。




