風の悪戯に従うお姫様「お嬢様のようなお姉さん」その8
殺害完了、ユカリちゃんには予め彼女が好む酒を用意するように言いましたがドジっ娘をする気がしたのでもう一つカウンターに忍ばせて正解でした。
案の定ユカリちゃんは他の冒険者が床に落とした酒樽を避けようと下着丸見えの足を大きく開脚したえちえちポーズしてしまい本人は顔を真っ赤にして恥ずかしがってました。
それでも私の役に立ちたいという気持ちでいてくれて猛毒の入った彼女お気に入りの酒を渡して馬鹿みたいに呑んで帰っていきました。
私とユカリちゃんは後をつけて確認すると良い気分の彼女は突然嘔吐しながら血を吐き出して胃の内容物全て出して喉元を押さえる。
残念ながらその毒は【壞毒】と呼ばれる風星に実る危険な植物【マンチニールプラント】の実をすり潰して何重にも重ねて作り出した呪術師涙目の死の粉末を入れたのですから。
触るのでさえ危険ですし雨が降ったらそこら一帯が枯れる程の毒性で殺し屋から高値で取引されてます。
私のは自家製なのでもっと恐ろしい毒で苦しみながら朽ち果てるでしょうね♪
内臓に穴が空き、気管を破壊して脳味噌を溶かし骨を砕く。
素晴らしい暗殺道具にユカリちゃんは顔を真っ青にしながら怖がってしまいました。
彼女は身体中から発疹と狂い毒に犯されて喉元を掻っ切り無残にも苦しみながら死亡しました。
遺体はシスターズの拠点近くに棄てて颯爽と酒場に戻る。
仕事を終えて二人でカウンターを相席してお酒を注文しました。
いつもなら積もる話もあるけど今日はそんな気分じゃないみたいですね。
「ノア先輩って清楚系美女だと思ったら性悪腹黒美女だったなんて」
私のやり方が少し過激だったみたいで少し警戒してる様子。
折角なので落ち着いてもらいましょうか。ユカリちゃんに急接近して耳たぶを優しく口に加えると面白く赤面しながら慌てているので口づけを残してユカリちゃんを胸の中に押し込んで抱きしめてあげました。
「ひゃ、ひゃぁぁぁ!」
余程緊張していたのでしょうからかっただけなのに可愛い反応を頂きました。
ユカリちゃんはそれに気付くとぷんすか怒ってしまい丁寧に謝罪すると頬を赤らめながら許してもらえました。
「ユカリちゃん、これだけは覚えてください、普段の私は自ら手を下すことはしませんが場合よっては“消える方”がいるかも知れませんが特に気にしないでくださいね?」
「いや、凄く気になるよ!?」
「そういう人は大体は価値の無い人間だと思ってくだされば幸いです」
「本業が一番怖いよ!?」
「元ですから♪それに私は本当はか弱い乙女なので・・・役職も秘書なので・・・」
「待遇は悪かったの?」
「はい、お金も微額で・・・」
「そうだったんだ・・・ん??でもその服高いよね?」
真っ赤な嘘を吐いたら流石に気づかれますか。
「一着十万ですよ?」
「たかっ!?」
「全部合わせて十五万、それを五種類のバリエーション合わせると百万円くらいです」
「貧相じゃないじゃん!?騙したね!?」
「ユカリちゃんを誂うの楽しくて♪」
本当にいちいち顔が変わるので見ていて飽きない女の子です、そういう娘、大好きです。
「ユカリちゃん、この前の仕事で思ったんですが・・・仕事辞めてウチに来ません?」
「・・・あはは、遠慮しまーす!」
お酒を飲み終えるとユカリちゃんは逃げるように帰ってしまいました。
まだまだ好感度が足りないみたいなのでいつかユカリちゃんが悩んでいたら何とはなく誘ってみようと思います。
ユイちゃんごめんなさい、私もユカリちゃん欲しくなってしまいました。
それと同時に少し危ない邪念が脳裏に過ったので私も早く休もうと思います。
“ユイちゃん、死んでくれないかな?”なんて、どうして考えてしまったのか・・・面白い私ですね♪
ついつい欲しいものは全部奪いたくなりますね〜♪
風の悪戯に従うお姫様 第一章 終




