風の悪戯に従うお姫様「お嬢様のようなお姉さん」その6
「ノア先輩のピンチは私のピンチ!私達で良ければ手伝うよ!」
扱いやすい女の子で助かります。ユイちゃんはボソッと何か言ってますが無視しましょう。
酒場に戻り二人に臨時として雇い制服が無いので二人には私が製作した制服を身に纏い仕事の説明を一通り終えて作業開始しました。
三時間経過するとユカリちゃんは恐ろしくも適応して私達と連携する程度に上達してユイちゃんはユカリちゃんとの呼吸に合わせて仕事するので恐ろしくも二人とのお仕事は流れるようにこなしてしまいました。
五日目になると最早従業員と差が変わらず何よりドラセナちゃんより高い人気を誇ってしまい二人の冒険者は同業者から【冒険者辞めて雇って欲しい】と言われた時には私は開いた口が塞がらないまでになりました。
私もお二人と共に過ごす時間がとても有意義で欲しくなってしまいます。
ですがそんな日々も寂しくついに休養期間の予定していた日が終わり二人は今日限りで辞めてしまうのが名残惜しく二人にはお給料に色を付けて渡すもユカリちゃんは何故か拒否サれてしまいました。
「私はノア先輩とお仕事出来ただけで満足だから受け取れないよ」
「だ、駄目でよ!労働の対価なんですから!」
「いいの♪ユイさんと分けるからさ」
「えっ?なんで??」
「二人で共有するって言ったよね?だからお金も半々だよ」
「・・・・ケチ」
「どうせユイさんお金溢れるほど持ってるでしょ?それとも何か買う予定あるの?」
「ユカリちゃんの為に美味しい物作る」
「マジ!?やった〜!!労働の対価はユイさんと一緒だ!」
「うん///」
二人は私の言葉を挟める余裕が無いくらいに二人だけの空間を作っていちゃいちゃしながら帰ってしまいました。
後日、私はユカリちゃんの家に忍び込みテーブルに書き置きしてお給料を渡しました。
こんな出来た子を無給で働かせるのは大人として見過ごせなく感謝の礼とデートのお誘いを込めて書いたのできっと受け取ってくれるでしょう。
なにはともあれ危機を回避した私は後日ユカリちゃんを訪ねて冗談交じりに酒場の雇用を話しましたがユカリちゃんに清々しいくらいに丁重に断られてしまいました。
今回は振られてしまいましたがいつかまたユカリちゃんとお仕事出来たらと思いに耽りながら一日を終えました。




