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幻影道R 第八巻   作者: SAKI
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徒花と死の花の章「子虚烏有の物語」 第一章 その1

 ※これはユイ視点でお送りする“ユカリ”の行動により未来が変わるとても重要な話になりますが・・・もしかしたらもう彼女の運命は決まってるかもしれませんが【スペシャルエンディング】では個人の幸せを分かち合う二人の物語にしますのでのんびり閲覧してください。


 彼女の痛みは誰にも分からず彼女さえ分からない、虚無に染まった人生とは実に無味乾燥で子虚烏有、そんな彼女の日常を甘く優しく包み込みあの頃の甘えん坊で我儘で心を開いた人間にしか見せない幸福の笑顔の彼女へと戻ることは出来るのだろうか?


「おはようユイさん♪」


 冒険ランクが上がり酒場で大盛り上がりした翌日、私はのんびりと昼寝していると声を掛けられた。


「・・・・」


「無視しないの!おっはよ!」


「・・・」


「おっはよ〜!!!」


「・」


「おはよ〜!!!!!」


 うるさい!と思わずキレてしまいそうになる。耳元で騒音なんてたまったもんじゃない。


 私は不機嫌な目で睨むと怖かったのか肩を落して平謝り。


 一緒に住んでるのにまるで他人のような扱い、ユカリちゃんは寂しそうにノア先輩と話し込む。


「ユイちゃん口下手ですし空気読めない人なので諦めてください♪」


「うぅ・・・やっぱり仲良くは無理なんだ」


 ギロッと一瞬ノア先輩に睨まれると私は目を合わせないようにテーブルに突っ伏す。


 まだまだ慣れないことばかりでユカリちゃんは大変そう。


 半ば無理矢理リーダーになってもらったし仲間も増えたけど考えることは沢山あるみたい。


「ユイちゃん♪ユカリちゃんに戦闘の仕方とか学ばせてみては?」


 突然の話に二人してノア先輩を見る。


「た、確かにいいかも?ユイさん凄く強いしそれを通じて仲良くなれたら・・・」


「無駄な理想は避けるべきよ、無駄な時間も過ごす必要無いでしょ?さっさと冒険ランク上げない?」


 私の発言に刺があったのかまたノア先輩に睨まれた。


 ユカリちゃんの選択は“後者”を取った。


「そう・・・だね!戦闘のイロハなんていつでも覚えられるしね」


 無理して笑顔を作る彼女にノア先輩は深い溜息を吐く、そんなに仲良くして欲しいのかしら?


 私の決定通りに冒険ランクを上げるために依頼を受けることにした。


 ユカリちゃんとの仲が遠くなった気がする。

 

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