天才美少女錬金術師の末路「お金が儲かる錬金術師!」その4
☆★☆★ ユカリ
「さぁーてと!いっちょ頑張りますか!!」
おーと棒読みしながら腕を上げる、正直言ってここからはずっと犯罪なのでやる気は下の下まで墜ちているので先に犯罪の経歴を誰かに伝えようという気持ちになっている。
本来なら一攫千金という夢に胸を躍らせながら錬金術の凄みが分かると思っていたのに成功したらいい塩梅、失敗したら私の人生が終わるという理不尽極まりなさに嫌気が差している。
「もう、どうにでもなれ」
元々犯罪者の集まりだったのについに犯罪者しかいない冒険者に成り下がった。サナエちゃんには後で私から謝りに行こう。
「―――― 後はこの中に複製した金を・・・って話聞いてる?」
よくわからない錬金術の仕方を熱弁するもそもそもよく知らない学問のせいで頭がショート寸前だよ・・・
「えっと・・・ごめんね、よく分からないや」
「えー!これだからバカは困るな〜♪よしよし♪」
キリちゃんはよく私を普通に馬鹿にするけど大抵のことは許してくれる、ちょっと腹立つし遠慮も配慮もないからすぐ言葉にしてしまう。
「む〜キリちゃんは頭良いから分かるけどそもそも私錬金術の才能無いから話されてもよくわからないよ?」
「あっ、すっかり忘れてた」
本当に大丈夫なのだろうか?キリちゃんはそれを思い出すとすぐさま説明を省き錬金術をするために錬成台へと向かった。
☆★☆★ キリの錬成部屋 (私達の家の半分)
「材料は簡単!盗んだ金に複製するための容器!後は薬剤に冷却する為の氷!そして時間!」
キリちゃんが欲しい材料を持って来た私は近くのテーブルにそれを置いた。
「えっと、借金は全部で三億ベルだから沢山創らないとね」
「寧ろよくそこまで借金したね?」
最初から借金してるキリちゃんにだけは言われたくないよ、しかもあの後一ベルも返済してないし踏み倒そうとしてないよね?
「私は単純にユイさんの生活基準が酷くて衣食住を整えて私の趣向を混じえたからこんなに膨れ上がったんだ、これでも少しは減らしてはいるんだけどね」
ユイさんに多額の借金してるから今の私の目標は大きな屋敷に住めるぐらいまで稼げば許してくれるだろうか?
「でもそれも今回で終わるよ!なんてったって金を複製するんだから☆」
本当にそうなるといいけど・・・何だか忘れているようなことがあったような・・・凄く大事な事だけど思い出せないや。仕方無い、後々思い出せたらいいけど取り敢えずはキリちゃんの錬金術を手伝うことにした、また脅されるなんてごめんだ。




