「プロローグ」
「おめでとうございます!これで今日からスイカズラ冒険者はランクFランクへ昇格致しました!光星の郊外はほぼ全て依頼を受けたり探索に出掛けることを受理しました!」
私達の頑張りと新たな仲間ゼーナちゃんが奮起して初めてのランクアップにユイさん以外大喜びだった。
「やったねユカリちゃん!!これでもっと新しい素材を採れればアタシの錬金術は更なる高みに行けるよ〜!」
「そうだね!!長い時間かけたけど沢山稼いで普通じゃない仲間を迎い入れたり皆で住めるお家もその内建てちゃう!?」
「素晴らしい考え方です主様!!このゼーナ、主様の希望の船にお供します!」
皆はランクが上がったことによりすぐに打ち上げが行われた、一人を除いて皆テンション有頂天だ。
「一ランク上がっただけで幸せな人ね」
「良いじゃないですか♪ユカリちゃんがこなせなかった自分の轍なんですからその一歩を進めただけでも素晴らしいと思います!」
ノア先輩も快く笑うとユイさんは冷たい言葉で吐き捨て何処か消え去ってしまった。
「くだらないわ………私は依頼を受けて一日を凌ぐだけでいいわ」
相変わらずの無表情と濁った瞳に光は灯さない、ユイさんは誰にも仲良くしようなんてする気は無いみたいだ。誰の命令を従わず交流を拒絶して笑顔を殺した。
ユイさんにはもう人としての感情はとっくに捨てていた。
「ごめんね皆、ユイさんいつもあんな感じだから気にしないで!!」
少しの間沈黙が流れてしまったが皆また乾杯して楽しく過ごした一日だったが・・・
「ユイさん………」
彼女の後ろ姿はいつ見ても消え入りそうな程背中でまるで死に場所を探しているようで危うさを感じた。
私はこの日から決意した、皆ともっと仲良くなれるように個人で皆と交流を増やそうとそう決めたのだ。
これで少しはユイさんの居場所を作ってあげられるだろうか?