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勇者パーティーから追放された最底辺職業〜絶対に錬金術で成り上がってやる〜  作者: 鏡石 錬


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45/49

45話、ポーションセットは売れた

「長らく大変お待たせ致しました。大変お忙しい時間に遠いとこらから態々足をお運びになられまして嬉しゅうございます」


 マジックショーでも今から行うような派手な出で立ちのオッサンがステージに出てきた。

 おそらく、あれがオークションの司会担当なのだろう。何も魔道具を使っておらず声が良く通っている。


「長話とした話は無しとして、早速始めたいと思います。アイテム部門から」


 俺が出品したポーション類は、アイテム部門で登場する。所謂、ポーションや魔道具がここに類する。


「さーて、次に登場するのは……………なんと、《石化解除薬スノーン+》《麻痺解除薬マナール+》《変身薬メタモルフォーゼ+》《水中歩行薬エラコキュウ+》の4本セットォォォォォ。ポーションに詳しい方はご存知かもしれませんが、どれもが調合成功率が著しく低く、それに加え希少な薬草も必要であります。鑑定書付でございます」

「鑑定費用は、入札金額から引かれるわ」


 このオークションに出品した8割方の品物には鑑定書が貼付されている。何故なら、その方が信用があり売れるからである。

 誰も偽物を買いたがる輩はいないだろう。鑑定書は、鑑定士が発行する書類で文字通り鑑定に特化した職業である。


「では、金貨100枚から」


 最低金額でも金貨100枚、贅沢しなければ十年位は暮らせそうな金額だ。

 そこから次から次へ入札のラッシュが開始した。見る見る内に9000枚に到達し、そこから入札する客は減り、残りは5組程で様子を見ながら時間を掛けるように慎重かつ他へは絶対に渡さないという意地のぶつかり合い。


「これは凄い」

「ふむ、予想よりも行くやもしれぬ。アイテム部門で、ここまで白熱する事は稀だ。エリクサーが出れば話は別だがな」


 そんな伝説級なポーションなら軽く貴族が住むような豪邸は買える。それ程に手が出るほどに欲しいと思ってる者は多い。

 アイテム部門の次は武器・防具部門と続き、最後は奴隷部門となる。そして、一番白熱するのが奴隷部門である。

 奴隷と言っても福利厚生はしっかりしており、ちゃんと法律もある。ほとんどの場合は、借金が返せなくなり借金奴隷になるのが通常だ。ただし、例外はある。

 その奴隷に最低限の衣食住を与えなければ罰せられるのは主となる。大抵が男なら護衛、女ならメイドとなる。中には性奴隷として、愛人となる女性の奴隷もいるらしい。

 そうなれば、一生安泰して生きていける。子供が生まれれば、正妻よりも立場が上になる可能性もある。


「カイト殿も男なら奴隷が一番気になるだろ?」

「いや、それは」


 気にならないと言えばウソになる。だが、何故か奴隷を持つ事に罪悪感を覚えてしまう。


「雇い入れると考えれば良いんじゃないか?」

「そ、それなら」


 雇用と考えれば、いくらか楽になるか。もし奴隷を買うなら、俺のポーションの入札と出品されてる奴隷次第だ。


「おっ、どうやらカイト殿のポーションに決着が着いたようだぞ」

「49番、金貨15000枚が出ました。他にはいませんか?いないようなので、金貨15000枚で落札」


 カンカンと木槌が叩かれ、次の商品が運ばれて来る。だが、その商品をカイトには見えてなかった。あまりに予想以上な金額に呆然自失となっている。

 予め、フリュールに宣言されていたが実際に見たことのない金額で落札されては現実感が無くなるというものだ。


「ワタクシも驚いた。予想がハズレるとはな。それも良い方向に」

「本当に現実ですか?」

「現実だ。これで、お店も買えるし、奴隷も買えるな」


 俺は一言も奴隷を買うと言ってない。だが、めちゃくちゃ気になるのも事実。気になる奴隷がいたら買うのもまた一興か?

 お店と奴隷両方買ってもお釣りが来る。やばい、こんな大金を持ってて襲われないか不安しかない。


「うん?何か顔が青白くないか?」

「こんな大金持ってて襲われないか不安でして」

「ギルドカードがあるではないか」


 不安が先走って忘れていた。ギルドカードには、お金をやり取りする機能があるという事を。

 この機能を使えば、一々お金を取り出さずにカード間でやり取りが出来る。そもそも15000枚の金貨など重くて運べやしない。


「武器・防具部門が終わるようだ」


 次は、いよいよ奴隷部門。良さそうな奴隷がいるかワクワクと不安の相対する感情がケンカしている。


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