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勇者パーティーから追放された最底辺職業〜絶対に錬金術で成り上がってやる〜  作者: 鏡石 錬


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43話、勇者、温泉に入るその3

 チャポン


「ぷはぁー、これが温泉なのか?!」

「タダの湯ではないようだな」

「神様女神様、この度温泉に入れる事に感謝を」

「いやぁー、極楽極楽よね」


 4人共に例外なく温泉の気持ち良さに蕩けている。あのマグマスネークの戦いでの疲れがウソのように取れていく。


「貴族らは毎日こんな気持ち良い思いをしてるのか」

「それは羨ましい限りだ」

「これを味わったら水浴びやタオルで拭く生活に戻りたくなくなるわ」

「温泉に入れた事は運命です」


 お湯に浸かる行動事態くだらないと思っていた自分の考えが変わった瞬間だ。タダ水を沸かしたお湯だけなら、こうはならない。まるで魔法のお湯だ。


「うん?これはなんだ?」


 シャインがお湯の中に直径10cm程の管を発見した。その管は温泉の外まで延びており、シャイン達が来た方向から来てる様だった。


「邪魔だな」

「それ何だ?」

「知らん」


 ポイッとシャインは温泉の外へと管を放り投げた。ドサっと土煙が舞うが、まだ湯に浸かれば汚れは落ちる。


「おい、良いのかよ」

「お前だって邪魔だと思ってただろ?」

「確かにな」 


 ギルも肯定し、再び温泉を楽しむ事に没頭している内に管の存在を忘れていった。この行動が後々厄介な事になるとは露知らず。


「なぁ、もっと他の温泉に入ってみないか?」

「他の温泉?」

「ここは一番浅い温泉だ」 

「つまり、シャインはこう言いたいのね?もっと深い層の温泉は、もっと気持ち良いのだとね」

「それ良いな」

「神の赴くままに」


 5層の温泉でこれだ。層が深くに連れ、温泉の質が良く効果も強くなっていくという話だ。そう考えると4人の中では、もう行かない選択肢は存在していなかった。


「では、行くか」


 マグマスネークと戦った疲労が、一晩睡眠を取る時よりも取れていた。最早、身体が軽くなったと言っても過言ではない。

 それに必須装備である水着のお陰で、態々着替える必要もない。鎧なんか着るのに、どれくらい時間が掛かるのか。それに鎧だと蒸せて気持ち悪い。


「階段はどっちだ?」

「看板によると、こっちのようね」

「他のダンジョンと違って楽勝だな」


 ダンジョンは大抵層を潜る事に対して先ずは階段を探さなくてはならない。

 地図もあるが詳細な物程に高額で、ほとんどの冒険者ハンターは大雑把な地図を買うか自力でマッピングをして先に進む。

 マッピングがないだけでも疲労の度合いが段違いだ。それが『マグマダマリ』がBランク指定に対して初心者も来てる理由である。


「あっという間に10層に着いちゃった」


 本当はもっと時間が掛かる。ほんの1時間ちょいで5層も本来は降れない。ダンジョンによるがマッピングをしてたら1日掛かるのが普通だ。

 その代わりに帰りは早い。既にマッピングが完了してる分迷わずに行けるからだ。


「ギル、温泉はどっちだ?」

「ちょっと待ってろ。うーん、こっちだ」


 5層と同じ要領で温泉までの道程を案内していく。たまにマグマから這い出た魔物モンスターはいるが、まだシャイン達の敵ではない。むしろ、5層にいたマグマスネークの方が手強かった。


「ここのようだが、5層のように魔物モンスターが守ってるみたいだ」

『ウキィウキィ』

「あれは初めて見るが、マグマモンキーか?」


 普通の猿型の魔物モンスターと違って毛が燃えている。なら、弱点は水属性のはずだ。


「よし、ギル、シャル行くぞ。ルーは、強化魔法を」

「神よ、我らに力を与えたまえ【ステータス強化】」


 ルーフィンから光の光線が3人に当たると、それぞれランダムにステータスが上昇する。

 シャインは、速度上昇。ギルは、筋力上昇。シャルロットは、魔力攻撃上昇した。


 本当ならランダムに強化させる魔法なのだが、何故か各々に適したステータスが上昇する。

 だから、本来強化魔法では誰も使いもしない魔法であり、マイナーな魔法として忘れさられようとしている。その事実に4人は知らない。 


 態々、別の強化魔法を掛けるよりは一気に掛けた方が時間の短縮になるはずだ。だが、ランダムという賭けが生じるためリスクの方が高い。

 だが、ルーフィンの【ステータス強化】は何故か適したステータスを強化してくれる。これが悪運と呼ばずして何が悪運というべきか。


「うぉぉぉぉ【水龍斬】」

「うぉりゃぁぁぁ【グランドクラッシャー】」

「渦巻きなさい【水竜巻ウォータートルネード】」


 マグマスネークよりも速度スピードはあるが、今現在のシャインの速度スピードの方が上だ。

 見事に命中し討伐完了し、4人は温泉を堪能するのであった。


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