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勇者パーティーから追放された最底辺職業〜絶対に錬金術で成り上がってやる〜  作者: 鏡石 錬


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19/49

19話、鍛冶師ギルド長をご案内

 シャルルのインゴットを持った手がガタガタと震える。まるで高額な値段が付いたツボでも持ってるように震えてる。


「か、カイトこれどうしたんだい?」

「……………あぁーそれは……………」

「ジィィィィィィッ」


 シャルルの視線がグサグサと突き刺さり精神的に痛い。これは素直に白状した方が良いか。


「お、俺が作りました」

「やはり、そうなのか。補充の手際の良さと良い。カイトは一体何者なんだい?」

「俺は普通の錬金術師ですが?」


 あっ、怪しんでる。シャルルの瞳が更に細くなり、これは絶対に信じてない。


「じ、上位錬金術師です」

「ジィィィィィィッ、上位錬金術師でもインゴット純度100%は作れないよ。まして、あんな補充の仕方なんて出来やしない。さて、本当の事を言ってくれるよね」

「………………シャルルさんだけなら」


 俺は、根負けした。秘密を話すまで帰さないとシャルルの瞳が語っていた。


「ここなら誰も来ねぇ。さぁ話な」


 シャルルに連れて来られたのは、ギルドマスターの部屋である執務室だ。ここに入るには、ギルドマスター:シャルルの許可が必要となる。


「誰にも言わないでくださいね」

「オレを誰だと思ってる。だから、安心して話な。ニカッ」


 男なら逞しく感じるが、女の子なら可愛く見えてしまう。だけど、目の前にいる女の子はニカッと可愛い笑顔だが、瞳は獲物を狩る猛獣みたく鋭い視線を向けている。


「俺は、錬金術師の最上位職:黄昏です」

「ルーが連れて来る時点で気付くべきだった。伝説の職業じゃないか。ここ数百年は現れてないはず」


 いつの間にか伝説になってる俺。そこまでの職業なのか。まぁ固有武装以外は平凡だと思ってるのだけど。


「黄昏は、我々鍛治師や薬師等の生産職を遥かに凌駕すると聞く」

「言い過ぎですって」

「そうなると固有武装も規格外なのじゃろうな」


 人の話を聞いてない。これは最早あそこへ連れて行くしかない流れになりつつある。

 

 チラッ

「カイトの固有武装を見せてくれか。もちろん持ってるのじゃろう?」


 まぁインゴット純度100%の作製や他の者には真似出来ない方法での属性魔石の補充をやってのけてる。

 そんな者が固有武装は持ってないと言っても誰も信じてくれないだろう。


「はい、持ってます。これです。【素材の次元鞄】、これが俺の固有武装です」

「普通の鞄に見える」


 武器型や防具型なら派手だが、アイテム型は見た目が地味だ。実際に使用してみないと、その凄さは実感出来ない。


「入って見ますか」

「入る?」

「えぇ、このように」


【素材の次元鞄】の口に片足をスッポリ入れると、そのままカイトの体は吸い込まれるように異空間に入っていく。


 ━━━━【素材の次元鞄】━━━━


「うわぁ、何じゃここは!」

「いらっしゃい」


 先日、ギルマスと一緒に入ったログハウスにいた。

 シャルルは錬金術師ギルドのギルマスも同じような反応をしていた。

 鞄の中が、こんなに広いとは普通は思わない。カイトも最初入った頃、驚いた時が懐かしい。


「先ずは外に出ようか。きっと驚く」


 ログハウスから出ると青空と草原が水平線まで広がってる。カイト自身も全部は把握し切れてない。


「ここ本当に鞄の中?!」

「あぁ正真正銘鞄の中だ」

御主人様マスターお帰りなさいませ」

「あぁただいま」


 外へ出るとサクラが出迎えてくれた。テーブルの上にも既にお茶とクッキーが用意されていた。

 お茶からは湯気が立っており、先程煎れた風に見える。


「お茶を御用意致しました。ごゆっくりと寛ぎ下さいませ(御主人様マスター、先日のように薬を盛ってますので)」

「ありがとう」


 サクラが【念話】で話した件を含めてお礼を言った。でも、心の奥底では流石に準備が出来すぎて主であるカイトでさえもドギマギしてる。


「座ろうか」

「ねぇ、今の誰?!人間の気配がしなかった。どちらかというと無機物な鉱石みたいな気配?」


 流石は土精族ドワーフと言ったところだろう。鍛治師以外に鉱石の感知を得意とする種族で、人造人間ホムンクルスは人間より土人形ゴーレムに近い。

 だから、鉱石の感知に引っ掛かったと推測出来る。


「えぇ、人間ではありません。人造人間ホムンクルスです。俺が作りました」

「なっ!それって錬金術師が目指す到達点の一つだよな!」

「それで間違ってないです」


 人造人間ホムンクルスは、錬金術師以外の者達にも有名だ。ただし、悪い意味合いで有名だ。

 消して到達出来ないことわりの一つとして数えられて、度々揶揄される。これが錬金術師が底辺として見られる原因の一つだ。


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