表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者パーティーから追放された最底辺職業〜絶対に錬金術で成り上がってやる〜  作者: 鏡石 錬


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/49

15話、勇者、新しい仲間を募集する

 ━━━━勇者シャインside━━━━


 カイトを追放してから3日程が経った。カイトと一緒に攻略を行った迷宮ダンジョンでのドロップ品を換金した金と遺物アーティファクト類を山分けしたところでカイトの抜けた穴を埋めるために新しいメンバーを募った。


「ようこそ。勇者パーティー金の竜へ」

「へへっ、よろしく頼みます。オレは、斥候の上位職:諜報員レンジャーのカゲロウであります」

「あぁ、よろしく頼むよ。カゲロウ」


 カイトが抜けた今、勇者パーティーに足りないのは探知サーチ能力だとシャインが判断した。

 カイトは、いつもシャイン達が魔物モンスタートラップを感知するよりも早く気付いていた。そればかりはカイトには感謝している。

 ただ、それだけで自分達と同じ割合でお金や道具を分配をしていたと馬鹿馬鹿しくなり、3日前にクビにした。

 だけど、気が付いていない。カイトがいち速く探知サーチ出来ていたのは錬金術で作製した魔道具のおかげだと。


「さてと準備が整いたしダンジョンに潜ろうとするか」


 勇者シャインのパーティーが今から潜ろうとするのはSランクダンジョンの1つである『ヤミノタンクツシャ』だ。

 洞窟と遺跡が入り雑じったダンジョンで、暗闇の箇所が多く探知サーチが難しいところから別名:斥候殺しと呼ばれている。


「到着だ。ルーフィン光を頼む」

「【光玉シャイン】、これでいくらかは視界が広げられます」

「カゲロウ、先に行けるか?」

「お任せくだせぇ。オレは、夜目が効きますので」


 斥候職の特徴らしく軽い身のこなしで先を見に行く。【探知サーチ】という魔法があるが、どういう訳か『闇の採掘者』では効き難い。

 だから、誰かが1人先導を切って見に行く必要が出て来る。今回ここを選んだのはカゲロウ感知能力の実力を量るためで、問題がないようならこのまま攻略を進める積もりだ。


「ただいま戻りました。この先、およそ100m先に大コウモリが数匹がおりますぜ」

「トラップの類いは?」

「ありませんぜ」

「よし、進もう」


 カゲロウを先頭にシャイン→ルーフィン→シャルロット→ギルの隊列で歩いていく。


(あれですぜ)


 カゲロウが指差す方に暗くてわかり難いが、大コウモリが天井にぶら下がってる様子が見て取れる。

 コウモリ系の魔物モンスターは、音に敏感で足音にさえ反応する程だ。

 一回反応しちゃうと一斉に飛び回り討伐に時間が掛かる要因となる。だから、こういう時は【念話】を使う。

 小声で話していても反応してしまうからだ。


(よし、みんな準備を良いか?)

(えぇ良いわよ)

(何時でも良いぜ)

(勇者シャイン様の御心に)

(シャインの旦那に任せますぜ)


 コウモリ系の魔物モンスターは、音に敏感だが光にも敏感だ。

 急激の光を直視させると視界を防げるのと同時に一時的に麻痺に似た状態となる。


(行きます。【光玉シャイン】出力最大)


 照明として使っていた【光玉シャイン】よりも数倍強い明るさを放った。

 これにより天井にぶら下がっていた大コウモリは、あまりの光により地面へ落下する。そこを狙い勇者シャイン達は攻撃を仕掛けた。


「喰らえぇぇぇぇ【断罪の剣】」

「引き裂きなさい【風の刃(ウィンドウカッター)】」

「どりゃぁぁぁぁ【グランドクラッシュ】」

「貫きたまえ【閃光線ホーリーレイ】」


 ものの数分で大コウモリは沈黙した。換金出来るであろう牙、羽根の膜、魔石を解体し取り出した。


「流石はSランクだぜ」

「よし、回収は済んだな。先に進もう」


 暗闇のせいで他の迷宮ダンジョンよりも進む速度は遅いが順調に進んでると言っても過言ではないだろう。

 先程のようにカゲロウが先陣を切り、先方を探知して戻って来るのを繰り返しながら進んでいく。

 この連携で進んでからおよそ一時間、二層に降りる階段を発見した。だが、降りる前に休憩を取る事にする。


「ここら片で休むとしよう」


 次のエリアに続く階段付近はセーフティーエリアとして魔物モンスターは寄って来ない。


「カゲロウ、ポーションを配ってくれ」

「了解だぜ」


 カゲロウから配給されるポーション。シャルロットとルーフィンは魔法職なので、マナポーションも追加で配る。


「「「「ゴクン…………うっ」」」」


 カゲロウを除く勇者パーティーメンバーは、今にでも吐きそうな顔をしている。


「ポーションって、こんな味だったか?!」

「何を言ってるんすか?昔からこんな味ですぜ」


 慣れた様子でカゲロウはポーションを飲み干した。空になった小瓶をその場で投げ捨てた。


「カイトから配られたポーションは、もっと果物の味がして飲み易かった気がする」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ