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第2話 はぐれエルフのカタリナ



 「ええ!?いきなりパーティー解散ってどういう事ですか?」


 「いきなりって言われてもな。先週言ってた筈なんだけど、騎士団に復帰する

 事が決まったから解散ねって。」


 「いやいやいや、私何にも聞いてなかったんですけど。」


 「先週、君の師匠のガーウィッシュさんに言ったんだけどなあ。聞いてなかっ

 た?」


 「お師匠様に話してたんですか?」


  ハーフエルフのカタリナはその日の朝まで冒険者パーティーに入っていた。

 しかしリーダーのデービッドが元いた王国騎士団に復帰する為、このパーティ

 ーを解散する事となった。

 

 「そもそもこのパーティーは、僕が騎士団に復帰するまで体が鈍らないように

 って親父のつてで、ガーウィッシュさんに入って貰って、侍従のサムソンの3

 人でやっていた所に、君が転がり込んで来たんじゃないか」


 「いやまあ・・・それはそうなんですけど。でも、このままじゃあ私失業しちゃ

 うんですけど、どうすれば・・・」


 「君には悪いが僕は明日から騎士団に戻るから、君は自分で新しいパーティーを

 探すしか無いね」


  この世界では基本的にPTは同族の者をメインに入れて、足りない職種を他の

 種族から募っていた。ハーフエルフのカタリナは、ヒューマンでもエルフでも無

 いので、自分でパーティーを組む以外は、中々お呼びが掛からないのだ。


 「困ったわ。今月はダンジョンに1回しか潜らなかったから、財布が厳しいのよ

 ね」


  カタリナは途方にくれた。1日歩き回り気が付いたらラーディッシュの森近く

 まで来ていた。森の中を歩いていると急に霧が現れた。


 「あら、こんな時間に霧なんて珍しいわね。」


 「おい!お前、ちょっと待て」


  茂みの陰からリザードマンが現れた。カタリナは身構えるが口を押えられ詠唱

 も遮られてしまった。


 「お前ハーフエルフだな。はぐれ物がこんな所に何の用だ?」


  リザードマンは当て身をあて気絶させた。カタリナはもんどりを打って地面に

 倒れ込んだ。


 「今日はこいつで我慢するか、本当はエルフが良かったんだがな」


  リザードマンがカタリナの持ち物を探っている時、何者かが霧の向こうから歩

 いてくる気配がした。


 「誰か来たか。まずいなちょっと隠れるか」


  リザードマンは背後の茂みに隠れた。そこに現れたのは転移したばかりの京矢

 だった。京矢は警戒もしないでこちらに歩いてくる。

   

 「あれは人影?金髪・・・」


  ここからは前回からの続き・・・リザードマンに襲われていたカタリナを助け

 た京矢だったが、状況の把握は出来ないでいた。


 「助けて貰って有難う。私の名はカタリナ。あなたはヒューマン?」


 「ヒューマン?ああ日本人だよ。あんたは?」


 「私は父が人間で母がエルフのハーフエルフなの」


 「へえー。ハーフエルフなのね、ところで君カワイイね」


  京矢は興味津々でカタリナをジロジロ見回す。


 「え?カワイイ?」

 

  カタリナは驚いた。ハーフエルフは忌み嫌われている。人間の血が混じった自

 分は褒められる事など殆ど無かった。カタリナは思わず困惑の表情を浮かべる。


 「おい、どうした?俺なんか悪い事言っちゃったかな?」


 「違うの。私生まれてから他人に可愛いなんて言われた事無かったから。ちょっ

 と驚いちゃったのゴメンね」


 「俺からしたら十分可愛いけどな。この世界じゃハーフエルフは嫌われているの

 か?」


  カタリナは機嫌を良くして改めて京矢をまじまじと見返すが普通とおかしな点

 を感じた。(そう言えばこの人、冒険者なの?いや違う装備や荷物が見当たら無

 いもの)

 

 「そうなの。ところで見た事も無い服装だけどあなた何処から来たの?」


 「俺は確か俺のアパートの前に居たんだ。それがドアを開けた途端に森の中に居

 て、そこに君が居たんだ」


 「アパート?良く分からないわね、まさか異世界人なのかしら。名前は?」

 

 「俺の名前は京矢。水鏡京矢だ」


 「キョーヤね。改めてよろしくね」

  

  京矢とカタリナは握手を交わした。


 「ところでキョーヤ。あなた強いわね」


 「強い?あんなのは合気さ。相手の力を使って相手を制する武術さ」


 「ブジュツ?魔法の一種かしら。まあ何にせよあのクラスのリザードマンを倒せ

 るヒューマンなんて、見た事無いわ」


  京矢はそんなもんかと自分の手を見返した。


 「それでねキョーヤ、提案が有るの」

 

 「提案?」


 「あなたどこか行く当て有るの?無いんだったら私とパーティーを組まない?」


 (パーティーって何だ?こんな可愛い娘からの誘いだから拒否する事も無いが)

 「いいけど、そもそもパーティーって何なの?」


 「パーティー知らないの?パーティーはね、主に4~5人で組むものなんだけど

 ・・・」


 「パーティーってそんなにいるのか」


 「そうよ。パーティー組んでダンジョンや狩りに行くからメンバーは多い方が良

 いわ」


 (そうか。これってゲームの世界のパーティーシステムと同じなんだな。ゲーム

 なんて最近してなかったし忘れてたよ)

 「他にメンバーとか居ないのか?」


 「朝までは居たんだけどちょっとあってね、だからメンバーを探さなきゃいけな

 いの」


 「おお、なんか懐かしいぜ。これは昔やったRPGってやつだな。メンバーを探

 して魔王を倒しに行くみたいな」


 「魔王なんかに有ったらすぐ殺されるわ。この辺りには冒険者は居ないから一旦

 街に戻りましょうか」


 「魔王おっかねえな。まあ俺は分らんから付いて行くよ」


  2人は街に向かって歩きだした。少し歩いていると木の上から呼び止められた。

 声のした方向を見るとエルフが立っていた。


 「ちょっとお待ちなさい。ここはあなた方の入って良い所では無いわよ」


 「ごめんなさい。もう街に戻る所だから・・・」

 

 「ああ、あなただったのね。はぐれのあなたが此処に居るなんて」


 「はぐれ?カタリナはエルフでもあるんじゃ無いのか?混血って言ってもエルフ

 の血が入っているんだし」

 

 「混血のハーフエルフは禁忌の存在って言われているの。だからキョーヤの好意

 を持って接して貰えた時嬉しかったの」


 「お前わりと苦労してるんだな」


 「ハーフエルフは忌む存在だからはぐれって言われているの。そのあなたがこの

 辺にいると何かと変な疑いが掛かるからあまり来ない方が良いわよ」

 

  エルフは2人の会話に割って入り怪訝そうにカタリナに言った。


 「ところでさっき霧が出て来た時何か無かった?」


 「リザードマンが突然私を攫おうと・・・」


 「あいつら性懲りも無くまたやっているのね、見回りを強化しなくは」


 「それで私がリザードマンに襲われていた時に、この人に助けられたんです」


 「あなたがリザードマンを?」


  エルフがまじまじと京矢を見る。その内、体を触りだし服の中まで手を入れて

 きた。途端に京矢は後ろに飛びのく。


 「おいやめろ!確かにこんなに綺麗な人に体を触られるのは気持ちい・・いや、

 俺は他人に触られるのは嫌なんだ」


 「そうなの分かったわ。だけどリザードマンが居たとなるとちょっと危険だから

 安全な場所まで私が特別護衛してあげるわ」


  エルフは嘗め回すように京矢の体を眺めながら言った。


 「私はこの森の守護者の一人スレイン。よろしくね」

 

 「私はカタリナ、彼はキョーヤよ」


  スレインは京矢に妖艶な笑顔を振りまき、安全な場所とやらに京矢達を案内し

 始めた。

 

 

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