本のつづき
小説「紅蓮の華」のつづきを。
~紅蓮のターン~
「結婚しよう。形だけでも。」
彼女は感じていた。
「紅蓮の華」という小説はまさしく、紅蓮の為のものではないか。
彼女は感じていた。
明確なるデジャビューを。
桜が咲いていて、春爛漫と言った所を小説では描いていた。
桜場という彼女の友人、空鳥の苗字。
すべてが噛み合っていて、ああ、この場の為にあの小説はあったのだな。という事を意図しない場、桜の木の下で告白する紅蓮がいたのである。
~空鳥のターン~
彼女は桜の木の下で告白する紅蓮を見て、見とれていた。
まるで、これは現実ではない、夢物語の様であった。
成る程、女子中学生はメルヘンだと、この前の事を思い出して、納得するのだった。
ほわほわしていて、何だか、気を失う前の様だった。
~クウチョウのターン~
入れ替わったと彼女、オウジョウ クウチョウは感じた。
というのも、紅蓮に姿を見せるのは、初めてだから、二重人格の主人格であるはずの闇へと副人格に押されて眠っていた本当のクウチョウが目を覚ます。
紅蓮の告白に対して、彼女はこう言い放つ。
「いいのよ。形だけじゃなくとも、どうせ、社会的に認められないんだから、盛大にやろうじゃないの。」
「えっ?誰。」
「私はオウジョウ クウチョウ。この体の主人格よ。滅多に目を覚ます事はないから、お見知りおきを。お嬢様?」
「お嬢様?誰。」
紅蓮はクウチョウの発言に疑問符を覚える。
「私はとある方のヴァーレット(従者)であり、あなたのヴァーレットでもあるけど。まあ、こじつけね。そんなんでも、愛があれば、あなたも主で、私もヴァーレットよ。」
「愛あればこそ。小説家みたいね。愛あればこそ書ける筋書きもあるという事ね。」
愛という言葉に紅蓮が反応する。
「死がふたりを分かつまで。愛は死ぬまで、寄り添いつづける。私は遠慮なんてしないから。死がふたりを分かつまで。あなたを愛しつづける。」
「クウチョウ。あなたこそ、生涯のパートナー。あなたに今決めたわ。空鳥と私は。死がふたりを分かつまではずっと一緒。あなたに愛を捧げる。一生を添い遂げます。」
クウチョウに合わせて、刹那的な口調で愛を誓う紅蓮。
「私はあなたを見捨てない。世界を神が見捨てない様に。」
クウチョウは満足げに笑う。釣られて紅蓮も笑う。
かくして、ふたりは死が分かつまでは、添い遂げる事を誓い合うのであった。
そして、告白した紅蓮と告白された空鳥は結婚式を挙げるのであった。相互に補い合いながら。そして、ふたりは同居するのであった。




