0話 異世界に呼ばれた魔王
朝、目が覚める。顔を洗い、ご飯を食べ、歯を磨く。制服に着替え、登校する。そんな日常が一瞬 にしてなくなるのだと、僕は初めて気づいた。
僕の名前は伊神晴哉。
高校1年生。太っていて、運動も勉強も苦手な僕。
そんな僕が好きなのは、アニメやラノベだ。
つまり、自他ともに認めるヲタクだ。
他のクラスメイトは、
「ヲタクとかキモー」とか、
「お前恥ずかしくないの?」とか、
もっと直球な人は、「このデブ」
とか言ってくる。
まぁ、簡単に言えばいじめられている。
気にしていないと言えば嘘になるけど、
今は気にしていない。
いや、気にしていた時期もあったが、
流石に16年も生きていると慣れてしまう。
そんな僕にも親友がいる。
「お前ら、何やってんだ!」
こうやって助けてくれる親友。
内山蔵馬 。クラスの中心人物だ。
名前は物々しいがすごく良い奴だ。学力に関しては,他の追随を許さない男。
ちなみに、クラスには3人の中心人物がいる。
女子の中心人物である彼女。
「あんた達、いい加減にしないと先生に言いつけるわよ」
この強気な女子がもう1人の親友。
羽野美佳。彼女もクラスの中心人物だ。コミュニケーションに関しては他の追随を許さない女。
蔵馬と美佳は、幼馴染みだが、僕とは中学からの付き合いだ。
出会った当初こそ、僕が一方的に避けていたが、今では二人とも大事な親友だ。
それに2人は優しい。
僕がいじめられているヲタクと知りながら一緒にいてくれる。
それを知った上で助けてくれる。
僕がいじめられ始めたのは、一学期の中盤。
そして、いじめているのは蔵馬と美佳と一緒にクラスの中心人物である、櫻井冬馬。こいつは、強気な性格で傲慢なところがある。いつも取り巻きがいて,短気な奴だ。運動においては他の追随を許さない男。僕と冬馬は、小学校からの付き合いで幼馴染。父同士が同じ職場で働いていて、母同士は中学からの親友でとても仲が良い。
僕らのクラスはこの3人を中心にグループが出来ている。
そんな、いじめられる日々が数ヶ月続いた。
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そして、事件が起きたのは一学期最終日の朝だ。
「おはよう」
「おっは〜」
「おっはよ〜」
みんな次々に登校してくる。
いつもは遅刻してくる奴らも、今日は時間通りに来ている。
そして、全員が登校してきて、チャイムがなった。
その瞬間、僕らの足元が光り始めた。
「きゃー‼︎」
「どうなってんだ‼︎」
「みんな落ち着け‼︎」
この状況で、みんなの反応は様々だった。
でも、僕と同じ人はいなかった。
普通は叫んだり、戸惑ったりするだろう。
でも、その時の僕は、心の底から楽しくなった。
どう考えても、異世界転移をする状況だからだ。
光が強くなっていく。
みんなの姿や声が消えていく。
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もう、何も見えないし聞こえない。
はじめまして。
この話は、まだまだこれからなので楽しんで頂けると嬉しいです。
これから出てくる数多くのヒロインたちも、お楽しみにしていてください。