釣りの結果…
まーちゃんは今、目の前にある木材を頭に浮かぶままに削っている。
どの角度で、どのくらいの力で、どの道具を使うか。
彼女にとって名前の知らなかった道具を、何十年も使ったかのような手さばきで使いこなす。
「できた!」
彼女の手に握られているのは間違いなくこのゲームの中で最高ランクの釣り竿。
その先にはおびただしい数の浮きがついている。
まーちゃんがフェスティから課せられたハンデ。それは
「一回でもいい勝負になるんじゃね」
という意見によりまーちゃんは竿を一回しか使えないというものだった。
「ふつーに考えて無理でしょ」
と、言いつつまーちゃんはその竿を投げる。
浮きが水の中に入るやいなや、竿の重さがぐんと上がる。
ゲームの使用上、それを引くにに必要なのが【STR】ではないことに感謝したまーちゃんは全力でその竿を引っ張る。
「うわっ」
その声と同時に、まーちゃんの目の前に魚のカーテンが出来上がる。
その数は浮きの数と同じ、100。
ペシペシと地面ではねている魚にも沢山の種類があり、見飽きない。
「まーちゃん、どうだった?」
まーちゃんはその声の主がさばじろうであることに気がつくと魚のカーテンを見せびらかす。
「流石だねまーちゃん」
しかしその声には自身が見えた。
実は彼女ら、他の人に手伝ってもらい、たくさん魚を釣ったのだった。
「私達は100は超えてるよ」
「私は100だったから負けか〜」
そのまーちゃんの悔しがる表情を見て、フェスティの気分が少し上がったのは誰が見てもわかるほどだった。
読んでいただき、ありがとうございました。




