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これ、うちの畑で取れたスライムです  作者: 林檎酢
バージョン3【歴史の遊戯】
24/98

さばじろうと【巨大な氷塊】との対決…

 まーちゃんがさばじろうを探しているとき、また別ん場所でさばじろうがまーちゃんを探していた。

 さばじろうは少しあたりを見て回ったが見当たらず、結局、(あいつならなんとかするだろう)と思い先へと進んだ。

 さばじろうはこの雲のフィールドのことは十分知っていたが、このようなことが起こったのは初めてだったため、困惑していた。それでも進まなければと思い、先へと進むのだった。

 はじめのフロアはとても寒かった。そのフロアにいたのは氷柱が生えているものや、凍ってしまったスライムがいた。さばじろうはそれらを丁寧に一匹ずつさばいていく。

「このフロアは余裕でさばけるね、っと」

 さばじろうはノーダメージでこのフロアを突破した。

 しかしダンジョンは先に行かれるのが嫌なようで、さばじろうの足場には凍った大地を、頭上には大きな氷柱を設置した。そうしていると周りから先程さばいたスライムが湧き出てきた。

 さばじろうが嫌な顔をすると同時、爆発が起こった。

 そうして中からはボロボロのさばじろうがでてきた。

「ふぅ、やっぱ【自己爆発(HPボム)】は代償が大きすぎるね。当分は使用を控えたほうが良さそう」

 そう言って第一フロアを通り過ぎ、第二フロアへと来さばじろう。そこの気温は更に下がり、メニューの【温度】欄を見てみるとなんと0度を示していた。吐息が白くなるのがよくわかる。それを確認してメニュー欄を閉じるとそこにいたのは氷の結晶。

 それはこちらに近づいてきて…目の前で止まった。さばじろうがそれに触れるとそれはシャリンという音を残し光になった。それらがプレイヤーに与える効果は全能力値低下。しかしそれを確認してもなお、さばじろうはその結晶を壊し続けている。どうやらこのシャリンという音が気に入ったのだろう。

 さばじろうの【AGI】が0になった頃、ようやく進みだした。さばじろうはやらかしたと思ったが、

「【整地・生物】!」

 というと周りにいたモンスターたちは全て光も出さず消えていった。このスキルは周りのモブを自身の能力値と引き換えに殲滅するというもの。それによりプレイヤーがどんなに遅くても生き残れるようになった。

「うぅ、遅いよぅ…」

 しかし依然として【AGI】は0のまま。さばじろうは反省しつつ重い足を引っ張って第二フロアへと進んだ。

 第三フロアになり温度はついに0度を下回った。だがしかし、同時に球に足が軽くなった。どうやら先程の効果はそのフロアを過ぎると解除されるらしい。

 さばじろうはいつもの調子を取り戻したようで、そのままボスのところまで突き進んでいった。

 道中また同じようにその音を聞きたくなったようで、壊しては【整地・生物】をし、また壊しては【整地・生物】をし…というのを繰り返していった。

 ボス戦手前、さばじろうは氷の結晶のボスが来るのだろうと思ってワクワクしながら扉を開けた。

 予想通り、そこにいたのは氷の結晶だった。さばじろうは自分の好奇心に負け、近づいてきた結晶を触った。

 シャリィィン…

 さばじろうは癒やされながらステータスを確認した。

 しかしそこにあったのは0という数字。【STR】も【VIT】も【AGI】も【DEX】も【INT】も全てゼロである。

 幸い攻撃してくるのは出てくるザコ敵だけなので【整地・生物】でなんとかなる。

 しかし問題はどうやってダメージを与えるか、と考えようとしたがそれをやめ、火力でゴリ押すことにした。

「なけなしの【スライムポーション】!」

 さばじろうが持っていた最後の高級薬品。それを使ったことによりさばじろうの勝ちは確定した。

 後はテキトーに攻撃を当てるだけ。

「【多重石礫」!」

 なんとなく当たったときの音が良さそうなものを選んだ。

 そしてその予想は見事的中した。

 シャリィィン…

   シャリィィン…

      シャリィィン…

         シャリィィン…

 その聞いていてスッキリするような音は何重にも重なり、最高のハーモニーを奏でていた。

 さばじろうは最高の気分で宝箱を水晶球に食わせ、魔法陣に乗った。

 そこにあったのはあの穏やかな雲の世界ではなく、禍々しい空気感の長い廊下。壁には一定の間隔で明かりが灯されていた。

 進んで左手にあったのはさっきの部屋の扉より2倍ほど大きな扉だった。しかしまっすぐの道もあり、さばじろうは悟った。

「これ2人用ダンジョンじゃね?」

 すなわちボス戦も二人で戦わなければならない。

 ということでさばじろうは待つことにした。




 それから30分ほどスキルを再確認してぼーっとしていると神輿がこちらへ向かってきた。

 さばじろうはその存在を察して進路の目の前に進んだ。

 それは予想通りまーちゃんだった。

「さばじろう!いつからここに?」

「30分ほど前からかな…疲れた」

「まぁ、それは置いといて、この部屋どうする?」

 二人はお互いの体験を語り合い、そしてこの部屋について話し合った。

 話し合いの結果、一旦ログアウトしてスキルの回復を待つことにした。

読んでいただき、ありがとうございます。

最近後書きがかけていませんが、次回書きます。

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