最強と最強の相乗効果は…
まーちゃんとさばじろう、それぞれはかなーり強くなり、【最強】とも呼ばれるようになっていた。
しかしこの前のバージョンアップで強めのスキルをはとんど弱体化されまーちゃんは新たなスキルを探していた。
「で、いいところってどこ?」
「ここだよ」
「え?」
そこにあったのは崩れた遺跡だった。さばじろうは手慣れた様子でそこにあったガレキを持ち上げ、先へ先へと進んでいった。
導かれたのは雲のフィールド。薄い雲でできている雲は今にも落ちそうな感じがする。
そうしてまーちゃんは周りに見るものすべてに魅了されているが、さばじろうは遠慮なく前へ進む。
それから10分ほど歩いたのだろうか。目の前に見えるのは巨大な雲。それは様々な色をしており、雲というよりわたあめのようにも見える。
「えーと、これは?」
「ここにある雲…色は7種類あるんだけど、それを全種類クリアしてもらいます!私と勝負だ!」
「うーん、まぁいいよ!私だって負けない」
そう言って二人は駆け出していった。一方はドラゴンの容姿にゴーレムの鎧、手には大きな剣で背中には翼という人間ではないように見えるトッププレイヤー。もう一方は軽めの装備に短剣だけのシンプルな装備のトッププレイヤー。二人はかけ離れているが、それでも友人であることに変わりはなかった。
まーちゃんははじめに赤い雲へと向かった。今回の雲はダンジョンだがいつもとは違い3部屋目にボスがいる。その為いつもよりスピーディーに攻略できる。
「はじめは赤い雲さんか。ばいばい!」
まーちゃんは手に持っている剣でその雲を切った。それはなんの手応えもなくあっけなく散っていった。どうやらまーちゃんにとってこのダンジョンは余裕のようだ。それが分かればもう後は何も考えず走り去るだけだった。
確認するのを忘れていたようだが雲はダメージも与えられていないようだった。
そうして第二フロアになった。そこにあったのは時々炎が吹き出るたった一つの足場とどう考えても距離のおかしい溝だった。まーちゃんはそれを見て、(あーこれは時間かかるやつ…)と思った。
1分ほど避け続けてようやく思い出した。
「あ、翅あるじゃん!」
自分についていた翅の存在をだ。それにより大幅な時間短縮ができた。
意外とすぐに到達できたボスまでの道。まーちゃんはすぐさまドアを激しく開け、中に入った。
そこにいたのは赤い雲。こちらの存在に気がつくと火炎球を吐いてきた。
これをまーちゃんは避けきれず、翅は溶けてしまった。
「あーあ、羽が…いけ!私の手!カタキをとってくれ!」
まーちゃんはこれだけ【地形ノ魔人】に頼っていたが、最近手が切り離し可能だったというのを知った。
その拳はそんな主人の命令に従い雲を突っ切る。雲は負けじとその拳を避けようとするがあまりにもスピードが違いすぎた。結果、雲は体の半分を光に変え、残りの半分以上も追撃のよって刈り取られた。
「【自己爆発】」
雲が反撃の体制を取る前にその爆風が周りを包み込んだ。
残っていたのは宝箱と大量の光だった。
「報酬!は巻物か。ラッキー」
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【春眠不覚暁】
自身を特殊な睡眠状態にし、HP回復。この睡眠状態は相手の攻撃を受けるか30分経過しないと解除されない。
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「なんか使えなさそうだけどまぁ、いっか。次!」
そうして赤い魔法陣に乗り先を急いだ。
それからまーちゃんは橙、黄、緑、青、藍の雲を攻略していった。
どれも色や技が多少違うだけで大体は同じだった。
そしてまーちゃんは自分でもびっくりするほどのスピードで紫の雲のボス戦まで来ていた。
まーちゃんは豪快に扉を開け、早速攻撃を仕掛ける。
「【武器投擲】【星屑ノ刃】!」
大きな剣がボスの周囲を囲む。そうしている間に小さいが眩しく輝いている星が天井に浮かぶ。
「手!しゅっぱーつ!」
大きなゴーレムの手は避けるので精一杯の紫の雲のど真ん中を貫き、雲の動きを止める。
「【星屑ノ刃】!とどめだよっ」
無邪気に笑うまーちゃんを隠すようにして星が降り注ぐ。そうして光の中から新たな光が生まれた。
「報酬!はまた巻物か」
本日雲の中で手に入れたのはこれで5個目である。
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【春の夜の夢】
睡眠状態が10秒で解除される。特殊な睡眠状態でも同様。
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「【春眠不覚暁】と【眠れる獅子】と組み合わせたら最強じゃね?」
【眠れる獅子】とは黄の雲で手に入れたスキルで睡眠状態解除から30分間【STR】【VIT】【AGI】が上昇するというものだ。まず寝て、10秒で起きて、攻撃。ということをするだけで強いのだ。もちろんマーチャンはこれを気に入った。
そしてまーちゃんはもとの場所に戻った。そこにはつかれた様子のさばじろうがいた。
「はやいよー」
「えっと、全然こなさそうだったから2周してきたんだけど…」
「ふぇ〜、早すぎだよぉ」
このような会話をしている最中、急に雲が集まり始めた。
「えっ、なにこれ?」
まーちゃんはびっくりして声を漏らしたがさばじろうは声も出ていなかった。
そうして現れたのは一つの大きな白い雲。ぱっと見先程のダンジョンと変わらないが大きくなっているのは間違いない。まーちゃんとさばじろうはお互いがいるから安心と思い、ともにダンジョンへと足を踏み入れた。
その直後、真っ白な霧が目の前を覆う。
そうして目を開けると…
「さばじろう?」「まーちゃん?」
お互いの姿はどこにもなかった。
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