過去or未来
「どう?私と一緒にやらない?あなたは才能あるわよ」
Hが笑顔で言う。
「心配しなくていいぞ」
入り口に突然現われたのは剣崎順平だった。
「あなたもメンバーなんですか?」
「そうだ、Dの亡き後は私がメンバーを束ねている」
空間デザイナーと言うのは隠れ蓑だった。
剣崎順平と剣崎春香は世間的には誰もうらやむ夫婦
しかし、その実態はJDFのメンバーで二人は夫婦ではなかった。
村田の驚きは続いていた。
「一緒にやろぜ!」
Eが肩を両手で掴んで力強く言う。
「違う人生も悪くないぜ」
Sがニヒルに笑いながら言った。
「圭吾、私たちとやってみないか?危険はあるがスリリングな人生になるぞ!」
Gが鋭い眼光で言う
村田は悩んでいた。臆病と好奇心の間でゆれていた。
「本当に俺で大丈夫なのか?」
全員が笑顔で頷いた。
今の自分を考えていた。毎日夕方から朝までバーテンダーとして働く、それはそれで楽しくもあったが、何だか満たされない日々だった。
今日一日はスリリングだった。こんなに頭を使った事はこの所なかった。
何か違う自分になりたかった。
「わかった、やろう」
全員が安堵の表情になり村田に駆け寄った。
「今日からお前は‘K’だ頼んだぞ」
村田圭吾の人生が変わった瞬間だった。
知らず知らずに父親に催眠学習されていたようだった。
身についたJDFのメンバーとしての対処方法
圭吾の父、大吾はJDFのメンバーのリーダーとして長くやってきていた。
その忘れ形見の圭吾には、生まれながらの運命があった。
そして彼がこれから世界の重要な情報を運ぶことになる。
JDF、常に情報は巡っている。