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JDF  作者: 辰巳尚喜
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期待or不安

連休の新幹線は混んでいた。指定席は埋まっていたが自由席で東京に行く気にもなれずいた。


ジェフドーソンの財布、あれには90万ちかい金が入っていた。


村田は鍵と一緒に渡された物だから使えと言う事だろうと思い、そこからの金でグリーン席のチケットを買った。


時間は昼の1時を回ったところだった。


新幹線が発車すると、村田はさっきのプリントアウトした資料を読み返していた。


検崎春香 32歳 双子座フェイリス女子大卒業 卒業後は大手広告代理店に就職、28歳で検崎公平と結婚 その後ケンデザインの社長になった。


何とも順風満帆な人生だと村田は鼻で笑った。


自分は高卒で、今は小さなバーの雇われ店長


天と地ほどの差がある。


村田は資料を置き、ジェフドーソンの財布をもう一度調べた。


中はやはり金しか入ってなかった。


さすがにバックを見るのはやめた。


中に銃が入っている事に気がついたからだった。

村田は大きくため息をついて目を閉じた。


ジェフドーソンが言った、「ラッキーかアンラッキーかは君しだいだ」


何度も頭の中で回っていた。

東京駅はごった返していた。うんざりするほどの人に村田は戦意喪失気味だった。


気を取り直しケンデザインに電話を入れようと思っていた。

三連休で居ない可能性は高かったが、そこ以外の連絡先はわからない。


最悪は自宅を探し出して訪ねるしかないと思っていた。


電話のコールは3回目だった。


「はい、ケンデザインです。」


女性の声だった。


「すいません、検崎春香さんをお願いします」


「失礼ですが?」


「ジェフドーソンの代理の者です」


村田は迷いなくジェフドーソンの名前をだした。


「JD!会社にかけてくるなんてどういう事!」


どうやらこの女性が検崎春香のようだった。写真のイメージと違い、少し声が低いと思っていた。


「いや、私はジェフドーソンではないです。村田と言う者です」


「どういう事?」


村田は今までのいきさつを話した。


「なるほど、あなたは今何処にいるの?」


「東京駅です。」


検崎春香は品川のホテルで待ち合わせようといって、お互いの携帯番号を教えた。


「USBは?」


「あります。」


村田はカネの事は聞かないのかと思い、同時にラッキーかもと思った。


電話を切ると人込みを書き分け、山手線のホームに向かった。


この人込みでは例えつけられていてもわからないと思いながら、周りの人達をインプットしていた。


仕事柄、人の顔を覚えるのは得意だった。


村田が今のお店を任されるようになったのも、記憶力のよさでお客の顔と名前と好みを瞬時に覚える事が要因になった。


怪しい奴。そう思えばみんなそう見えるし、そうでないと思えばみんなそうだ。

品川駅につくと大量の人と一緒に押し出された。


目的のホテルは駅からすぐ、検崎春香かが代官山からくるにはまだ少し時間がある。


急に反転した。もし、誰かがつけていればおかしな動きになるはずだ。


周りに注意をはらいなが歩いた。


村田が思うほどわからずに、また反転してホテルを目指した。



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