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JDF  作者: 辰巳尚喜
2/17

夢Or現実

2


9時10分

目が覚めた。まるで悪夢を見た後の様に疲れた感覚だった。


いや、悪夢であって欲しいと願った。


だがそれははかない願いだった。


テーブルの上には鍵と財布

ジェフドーソンと言う外国人から預かった物


村田は頭を整理していた。

ケンザキハルカと言う人に届ける


ヤツラより先に!


鍵。コインロッカーの鍵のようだった。


NO111


一体何処のコインロッカーなんだ?


村田は財布の中を調べた。

中身は一万円札が88枚と千円札が4枚に米ドルが少しあった。


その他には何も無かった。

NO111 それだけの数のコインロッカーがあるとすれば三宮か新神戸だろう。


村田は意を決して鍵を手に取った。


家から駅までの道のり、今朝全力で走った道のりだ。

村田は歩みを進めるたびに心臓の鼓動が早くなるのを感じていた。


もうすぐ、ジェフドーソンが倒れていたフィットネスクラブだ。


事件になっていれば何だかの痕跡があるはずだ。


村田はあえて反対の歩道を歩いた。


フィットネスクラブは何も無かったかの様に営業していた。今朝の場所、地下駐車場へのスロープには普通に車が吸い込まれていく。

混乱していた。ジェフドーソンはいったいどうした。

あの状態では自力で動く事は出来なかったはず。


ヤツラと言ってた者が連れ去ったか、仲間が助けにきたか?


いずれにせよ、今朝の痕跡は何も無かった。


あれだけあった血の跡も皆無だった。


村田の混乱は加速していた。


臆病より好奇心が勝った。

鍵を開け中身を見たい。


村田は三宮へ向かうため阪急六甲の駅へと急いだ。



連休初日の三宮は混んでいた。村田は思い付くコインロッカーの場所に足を向けた。


『NO111』があり、尚且つ使用中のコインロッカー

一カ所目は空振り、NOは55までしかなかった。


二カ所目、三ヶ所目と鍵は合わなかった。


思い付く場所を回ったが該当するコインロッカーはなかった。


三宮を諦め新神戸に移動しょうと地下鉄に足を向けた。


時折、「ヤツラ」と言う言葉が気になり、周りを気にしたりしたが、何者かもわからないのにその行為は村田を挙動不審にするけだった。


地下鉄に向かう階段を下りた時にコインロッカーを見つけた。


明らかに数は少なくむだ足になるとは思いながら『NO111』をさがした。


「あった!」


ほんの20個ほどのコインロッカーだったのにその中に探していたNOがあった。


村田は例の鍵を出し、コインロッカーの鍵穴に差し込み回した。


カチャ!


「開いた!」


奇跡のようだった。村田は恐る恐る扉を開けた。


中には、セカンドバックが入っていた。


辺りを気にしつつ、バックを取り出しその場から離れた。


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