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JDF  作者: 辰巳尚喜
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政治家5

一時間ほどして塩田が出てきた。散々怒鳴り散らしたが、尾山に軽くあしらわれたようだった。


黒塗りのベンツが水谷から出て来た。


同時に探偵のレクサスも動き出す。


オデッセイは見張りの様だった。


「キョウ、バルーンは有か?」


「なるほど、準備します」

キョウは村田の意図をわかったようだった。


バルーンとはまさしき風船の事だった。


風船に荷物を付ける。小さい物なら何の問題もない。

風船と言っても、ただの風船ではない、遠隔操作が出来る様になっている。


JDFは秘密組織


小道具も色々だ。


「今からナツと合流する」

村田はそう言うと車を降りた。


ナツの居るドーナツ屋は路面に面したガラス張り、その窓際のカウンターにパソコンを広げて座っている。

水谷の真正面、オデッセイは何かを待つように息を潜めて止まっている。


「準備はOKよ、キョウが指示を待ってるわ」


どう見ても女子大生の暇潰ししか見えないナツの隣に座った。


パソコンの画面にはカモフラージュ用のポータルサイトが写っていた。


「K、山根には連絡ついたわ、庭に出て貰うように言ったわ。頼むわね」


Hからの連絡を聞いて、ナツに合図をした。


村田は携帯をバルーンの操作用に切り替えた。


「バルーン確認、左から黄色奴」


ナツの言葉と同時に村田の携帯にバルーンからの映像が写し出された。


「今はほとんど風は無いわ、チャンスね」


ゆっくりと風船は水谷に近付く、あたかも誰かが離した物がゆらゆら漂っているかの様に


慎重にバルーンを操作する。


オデッセイの奴らは全く気にしていないようだった。

黄色の風船から伸びる紐の先にはSDカードがついている。


村田の操作で水谷の庭にゆっくり降下していく。


携帯の画面には風船に取付られた小型カメラの映像が写し出される。


さっきまで眺めていた庭が写しだされる。


庭木に当たらない様に慎重に操作する。


スーツ姿の山根が写った。

辺りを気にしながらSDカードに手を伸ばす。


山根の手に荷物は渡った。

「配達完了!」


遠隔操作で風船は割れた。

村田は携帯の画面を元にもどし、ナツはパソコンを閉じた。


「お疲れ様、撤収よろしく」


Hからの連絡で村田とナツは席を立った。


翌日の朝刊に人民党、塩田議員の今までの悪行が紙面を賑わせていた。


政権交代は必至、尾山は時期総理になるのは確実だろう。


その影にJDFがいる事は世間は知らない。


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