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JDF  作者: 辰巳尚喜
13/17

政治家1

代官山に来るのは一月ぶりだった。


ケンデザインはJDFの隠れアジト


村田は何食わぬ顔で事務所に入った。


怪しまれる心配は無かった。村田の神戸のバー「Runner」はケンデザインが手掛けた作品。


何事にも抜かりはない。村田の父、村田大悟からの繋がりもある。


「お疲れ様です」


事務所に入るとスタッフが声をかけてきた。


ケンデザインには女性2名男性2名のスタッフがいる。


彼らは全員JDFのメンバー。表向きはケンデザインのスタッフ


しかしながら、実はJDFのサポートメンバー


村田達コードネームのある人間はS級Runner


コードネームの無い人間はサブだった。


「受け渡し方法は」


村田は挨拶もおざなりに、奥のデスクのHにいった。

「今晩、赤坂の料亭 水谷で受け渡しよ。」


Hはパソコンのモニターから目を離さずに言った


「俺が一緒に水谷に行く」

奥からJこと、検崎順平が現れた。


受け渡しは料亭、水谷にJと行き、尾山達ご一行が到着したら渡す。


9時30分に手洗いで。


「尾山達はそこで中身を確認して日が変わるまでにマスコミにリークする。明日朝は大騒ぎって訳ね。料亭内で全て終了。誰にも気付かれずにね」


料亭 水谷は政財界の御用達密会場所


超高級な店だ。


二年前にケンデザインはここの改装を手掛けている。

だから高級料亭に安易に出入りができる。


「我々の予約は8時、奴らは9時。ゆっくり料理が楽しめる」


Jが笑顔で言った。検崎順平、Hの旦那に表向きはなっているが、これもJDFの隠れみの。


二人はあかの他人だった。

「サポートはナツとキョウがつくわ。」


ナツ、Hの実の妹吉原夏美

キョウは河井恭平、二人とも20代半ばのサポートメンバー


「時間まで写真でも撮ってくるわ、なんせ趣味の写真を撮る為に店休んでるからな」


そう言って村田は出口に向かった。


バーのマスターで趣味は写真。月に何度が店を休んで写真を撮りに行く。表向きは。


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