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JDF  作者: 辰巳尚喜
12/17

荷物 野心3

新幹線の出発まで、村田は喫茶店に入る事にした。


ガラス張りのカウンターに座り、コーヒーを注文した。

受け取ったSDをいつもの様に端末機でコピーした。

改札の前に和山が見える。腕時計を見ながら出発を確認している様子だった。


その近くに探偵もいた。


村田は探偵の写真を隠し撮りした。


「荷物は受け取った。今から目的地にむかう。異物確認願う」


村田はHにメールを送った。さっきの写真を添えて。

程なく返信がきた。


「ご苦労様です。先方には連絡済みです。お尋ねの件は以下です。」


Hの早い対応だった。


探偵は中村俊哉31歳、廣田興信所の人間


廣田興信所はかなり有名な興信所だった。テレビなどでもちょくちょく見る事があった。


和山が改札に入っていった。後を追う様に中村も改札に向かった。


村田は慌てる必要もなく、ゆっくりしていた。


荷物を受け取った時点でそれ以外は関係ない所だった。

あとは無事受取人に渡せれば問題はなかった。



新幹線に乗り込むと村田はいつも席に着いた。


チケットは決まってグリーン車進行方向に向かっ左側最後列の2席だった。


必ず一人でも2席だった。

村田は通路側に腰を下ろし、車内を確認した。


和山は進行方向左側一番前、中村はその5例後方右側

村田は特に気にする事なく、さっき買った「腐敗政治」を読み始めた。


今の政治と政治家のダメっぷりを延々と書いていた。

いくらほざいても変わらない事柄ばかりだった。


村田は読むのに飽き、車内販売の弁当を買った。


塩田義信は人民党の重鎮、次の総理候補だ。


一方の尾山三郎は民各党の代表。


政権が交代すればこちらも総理候補


暗躍する足の引っ張り合い。


村田は無事に荷物が運べればいいと思っていた。


新幹線の間はこれと言って何もなかった。


和山が何度か携帯で話しにグリーン車から出ただけだった。


村田は品川で下りるつもりで準備を始めた。


車内が幾分慌ただしい空気になり、新幹線は品川に到達した。


和山も中村も動かない。奴らは東京までだろう。


品川で降りると村田はタクシー乗り場に向かった。


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