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異世界に転生したらチート能力貰えてハーレム最高なんてなかったわ  作者: ユキ鬼
【第一章】チートもハーレムも無い!絶望かよ!
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【第1話】チート能力なんてなかった

唐突に始まります。

今回主人公の名前は出てないのですが、【水無月 海斗】といいます。

 目が覚めると俺は、なんか白くて綺麗なところに寝そべっていた。

 訳が分からず戸惑っているとふざけたような軽い挨拶が聞こえてきた。

「おはよう♪お目覚めかーい?」

「…誰」


 体を起こしてその声の主を見ると、髪の毛は白い、肌も白い、服も白くて、体つきは細い。

 ぼーっと神様みたいと思っていると俺の考えていることが分かったかのように「そうそう僕神様!これからよろしく~♪仲良くしてこーよ!」と渋谷のパリピみたいな調子で言われて何故か異常にムカついたのでとりあえず1発殴ると「痛い痛い痛い!ごめんってぇ~、間違えて天に召しちゃったのそんなにおこ?」と言われ、その意味をゆっくりと理解すると確認のためにもう一度聞いた。


「ちょっとまて、おい、おい神」

「様を付けてよ様を…んで?なに?」

「お前今さ…俺が天に召したって言わなかった?」


 確認のために聞いたから分かってはいても、肯定して欲しく無かった。でも現実は残酷で。

「うん、言ったね。分かりやすくいうと死んだってことだね」

「やっぱりかぁー…どうやって死んだっけなぁ…」

「漫画を買いに外を歩いていたらトラックに突っ込まれて死んだ。即死だったから痛みはなかったはずだよ」

 そう言われると確かにそんな記憶がある…大人気の異世界転生物の漫画を買いに歩いていたら凄いエンジン音が聞こえて…これより後の記憶がないってことは死んだってことなんだろうな。死ぬってこんな感じなんだ…

 死んだという事実を受け入れるために自分を客観的にみていると、とある事をおもいだした。これもまた確認のためにもう一度聞いてみる。


「おい、おい神」

「次はなぁーにー?何でも聞いて~?」

「お前…さっき殴られて動揺したからかついポロッと間違えてって言ってなかった?もしかしてお前の不手際で俺死んだの?」

 突然黙る神。汗をかき出す神。視線が定まらない神。

 これ返事聞かなくても絶対そうだろ…

「嘘付けないし…まぁそうだよ…間違えて天行きリストに載せちゃって…間違えたのに気づいたけど間に合わなくて………まぁその…ごめんね?」

 めちゃくちゃあざとく上目使いで言われたけど許す気は無かったからとりあえずまた1発殴っといた。痛そうだった。



「まぁ…間違えて天に召してしまったので…お詫びとして君を別世界に少し特別な力を付けて転生させてあげようと思ってさ、悪くないでしょ?」

 神のお詫び…説明を聞くにこれは…異世界転生ってことか!

 平凡な男子高校生が異世界転生出来るのか!思ってもみなかった!

 だって、異世界転生ってチート能力貰って女の子に囲まれるんだろ?最高かよ!死んで良かった!

 それでいいよね?と神が聞いてきたので勿論OKし、次は俺にくれる特別な力の話へと移った。


「さて!君にあげる祝福なんですが、良い決め方があります!少し目を瞑ってて?」

「あ、あぁ…」

 楽しみだ、神が良いという祝福の決め方なのだからきっと良い決め方なんだろう。そしてその選択肢の中にはチート能力沢山で…!あぁ!選ぶのに時間がかかりそうだ!と目を瞑りながらニヤニヤと考えていると、いいよーと声がかかり、目を開けた…その目に映ったものは…!


 くじ引きだった


 至って普通の、コンビニのキャンペーンとかで引くようなあれ。

 神曰く、この箱の中に祝福が書かれた紙が沢山入っているから1つの紙を取って欲しいそうだ。

 ま、まぁ紙に書かれた祝福はチート能力だろうし?箱の外見なんて気にしないし?と考え、良い能力こい…!と願いながら箱に手を入れて…紙を1枚とり…中身に書いてあった祝福は…!


【100回に1回の確率で強運を発揮する能力】


「……へ?これが、能力…?俺の…チート能力…?」

 呆然としていると神が手元の紙を覗き込んできて、内容を確認すると「あー、よりによってそれ引くかー、まぁ引き直しは無理だし…どんまい☆」と良い笑顔で言った。また殴った。



「そんなに怒らないでよ…それを引いたのは自分でしょ?」

「いや分かってるけど!こういうのってさ!神のせいだからチート能力貰えてそれを使って異世界を冒険するーとかそういうのじゃねぇの!?」と必死に言うと神は「神様がなんでもかんでもチート能力くれると思うなよ…天に行くはずの魂を別世界に移すだけで大変なんだよ?そんな大層な能力はあげれません!」と呆れたように言い、何も言えなくなった俺は神に背を向け体操座りをして固まった。

 その様子が可哀想に見えたのか神は「ちゃんと魔法を使える魔力は持たせてあげるから…元気だして?ね?そろそろ転生しないと能力持たせれなくなっちゃうよ?」と言ってくれた。

 俺もいつまでもここで体操座りをしている訳にはいかないとは思っていたので、転生を受けることにした。


「なんか…ゴメンよ」

「いや…異世界転生=チート能力っていう先入観を持ってた俺が悪い…これからある能力で頑張るよ…」

「そっか…頑張れ…見守ってるよ…」


 こうして俺の異世界転生は、虚しく始まったのだった。

さて…意識して使えない能力を貰って悲しんでいる海斗ですが、まだ回収していないタイトルがあるのでこの先もっと悲しむと思います。


可哀想に…w

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