2.呼び止められて
説明入れつつもテンポよくが難しい…
街までついたところで精霊たちにお礼を言って別れ、門を通り過ぎようとして後ろから呼び止められた。
「おーい、アルー、おい!聞こえてないのか?」
肩を掴まれて驚いて振り返ると俺と同じ歳くらいの赤の混じった濃い茶色い髪に緑色の瞳の少年がいた。
「なんだ、やっぱアルじゃん。体調悪そうだったから心配してたけど大丈夫そうだな。で、朝言ってた用事って終わったのか?」
前の俺の知り合いか…
「…。」
なんて言ったらいい?
俺はわからずに黙り込んでしまった。
「なんだよ。無視すんなよどうした。らしくない」
記憶喪失前の俺と知り合いっぽいし聞いてみるか。
「んー、えっと、もしかして俺の知り合いの人?記憶なくてごめん。もし知ってたら、ここがどこかとか俺の名前とか他にもいろいろ教えて欲しいんだけど知ってるか?」
そう言った瞬間、正面にいる友人らしき少年の顔が笑顔から戸惑いに変わった。
「なんだよ、からかってんのか?アルならありえそうだが、にしても口調がおかしいな。おまえいつも自分のことは"俺"じゃなくて取ってつけたような胡散臭い"僕"だったじゃねーか」
(ははは、胡散臭いって)
昨日までの自分がますます気になるよ、ほんと。
俺が黙ってると察したのかさっきより真面目な顔になった。
「まじか。まぁ、いつもの冗談ならもうちょっと…いや、なんでもねぇ。街入るんだろ行こうぜ。」
俺は無言でうなずいた。
こいつの知ってる"アル"が俺とは限らないが森の奥の花畑にあった池に手を洗いに近づいた時に映っていた顔からして俺はかなりのイケメンの部類に入ると思う。
俺と同じ顔が早々何人もいるとは思えない。
髪色も瞳も同じ空色で目立つしな。
「お互い聞きたいことだらけだろうが、とりあえずここじゃまずいし戻るか…。」
「戻る?」
それにここじゃまずいってなんでだろう。
「アルも俺もあと数ヶ月は学生の身だ。と言っても、俺たち4年生は卒業近くなってるから授業はほとんどないからほとんどのやつが好き勝手過ごしてるけどな。だから、戻るのは王立魔法学校の寮、の前に保健室か。」
「そうなのか。」
「で、その後に陛下と父上に報告だな。」
なんか陛下とか聞こえた気がしたが聞こえなかったことにすることにし、赤茶の髪の少年が歩き出したので俺はそれについて行くことにした。
長くなりそうなのでいったん切ります。
あと、学園生活は始まりません。
多少、卒業までは学校が舞台ではありますが…
学園ものが好きな方すみません。
作者も学園モノは大好物ですのでその内サイドストーリーとかでやりたいなー。