突然の通告
「蓮斗ちょっとお願いがあるんだけど。」
「お断りします。」
師匠のお願いなんてまともなわけがない。____なぜかって?そりゃあ嫌と言うほど経験してる。ちょっと外が騒がしいから黙らせてこいって言われた日には死にかける。
遠く懐かしい記憶が頭を駆けめぐっていると師匠が口を開く。
「拒否権はないわ。あなた明日からはIUに入学しながら私の仕事を今までどおりこなすの。」
「IUって国連大学ですよね。師匠、やっと日本所属の異能力者にでもなるんですか?」
「面白い冗談ね。」
...冗談で一蹴できるあんたに驚きだよ。
「一つは国連に"私の部下である"あなたという存在を知らしめて無駄な手出しさせないようにしつつ国連の顔を立てる平和な手段だから」
いかにも面倒くさいという顔で師匠は言う。おそらく誰かとの交渉の席で相手側が出したカードが俺を見世物パンダにすることだったということだろう。
「もう一つは単純に私もIU通ってたし、丁度あなたが一人で実戦経験をつめる戦場がみつかっただけよ。」
すごく不安になるワードが後半あった気がする。この女は大学に何を差し向ける気だよ。大学は勉強する場であって戦う場所じゃないだろ...
「俺がライセンス持ちなことは?」
「ばれてるわよそりゃあ。発行してるの国連じゃない。”オリジナル”の全貌はくれぐれも教えちゃだめよ」
こうして俺の学生生活が始まるのだった。