第8話 土の国での出会い
作者です。見ていただいている皆様ありがとうございます。読んで頂けるだけでも嬉しい限りです。
晴天の空の下、馬車が一台土の国に向かい走っていた。
「今日はほんとにいい天気だなぁ~」
オラリアは馬車に揺られながら外を眺めて呟いた。
「乗り心地はどうだい、嬢ちゃん」
小太りの男がオラリアに話しかけてきた。
「とってもいいです!」
実際、貸馬車屋のおばあちゃんに選んでもらったこの馬車はとてもいい物だった。銀貨五枚でこの馬車を借りることが出来たのは運が良かったと言わざるを得ない。
「そりゃ、よかった」
「あと少しで土の国につくから中でゆっくりしててくれ」
「ありがとうございます。あまり無理はしないでくださいね」
オラリアの言葉に男は微笑んだ。
「ありがとよ嬢ちゃん」
しばらくして、また男から声を掛けられた。
「嬢ちゃん着いたぜ。ここが土の国だ」
「ここが土の国かぁ。なんだか水の国よりも暑いんですね。なんでだろう?」
男はガッハッハと笑い、オラリアの疑問に答えた。
「そりゃ、そうさ。だってここは砂漠のど真ん中だからなぁ」
その言葉にオラリアは耳を疑った。
「砂漠の真ん中なのになんで馬車で来れるんですか?砂だから普通は動けなくなりますよね?」
「ここへ来るまでの道は神様が整備してくれてるんだとかなんとか。要はよくわからねぇってことなんだろうな」
(ずいぶんと適当だなぁ)とオラリアは思ったが口には出さなかった。
「んじゃまぁ、気を付けてな。縁があったらまた乗ってくれ」
「はい!その時は、お願いします!」
満面の笑みで言うオラリアを見て男もつられて微笑んでいた。
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「え~っと、この国にいるはずの選ばれし者を探せばいいんだよね。すぐ見つかるといいなぁ」
オラリアが独り言を呟いていると、門の柱を背によしかかっている女の子を見つけた。年はオラリアと同じぐらいの金髪で少し焼けた肌の女の子だった。
「あの子、なんであんなところにいるんだろう。友達がいないのかな?」
オラリアがバカなことを呟きながら門をくぐろうとしたとき、その女の子がオラリアに話しかけてきた。
「聞こえてんのよ!アンタ!人のこと好き勝手言うんじゃないわよ!」
どうやら、彼女は耳が物凄くいいらしい。常人なら気づかないほど小さかった呟きが聞こえていたのだから。
「大体アンタねぇ!そこら辺に立ってる知らない人に対していきなり失礼なこと言って、何とも思わないの!?」
「あっ、すみません」
「あっ、すみません。……じゃないわ、よ?」
なぜか疑問形になった彼女は、オラリアをじっと見ていた。そして、ハッとした顔つきになり、オラリアに問いかけてきた。
どうも作者です。ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
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