第4話 土の国の少女
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「おじいちゃん、おばあちゃん。行ってきまーす!」
少女は祖父と祖母に手を振った
「気を付けるんだよー!」
「はーい!」
向き直った少女は、目的地のある方向に歩き始めた。
「王国目指してしゅっぱーつ!」
少女は、大きな声で叫んだ。
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「よぉ、嬢ちゃん。かわいいじゃん、俺等とどっか遊びにいかねぇ?」
王国に入り、街道を歩いていると三人の男達が一人の女の子を取り囲んでいた。
「いえ、結構です。私、急いでるので」
ああいう連中はどこにでもいるんだなぁ。
「なぁなぁ、嬢ちゃん。名前はなんて言うんだ?」
「すみません、ホントに私急いでるんです」
「ちっ!仕方ねぇ、お前ら!この女を連れていけ!」
男達が女の子をどこかへ連れ去ろうとしていた。だが、それはある一人の少女の手により、阻止された。
「その子、嫌がってるのになにしてんだ!」
リーダーらしい男が吹っ飛ばされた。だがそれは、理解することが難しい光景だった。リーダーらしい男を吹っ飛ばしたのは、色黒の"少女"だったのだから。
「だっ、誰だテメェ!!」
子分Bが怒鳴る。その問いに色黒の少女は答えた。
「私はイレーネ=クオラよ。覚えておきなさいチンピラ」
イレーネ=クオラと名乗った少女は、子分Bを一撃で気絶させた刹那、子分Aも気絶させた。
「あなた、大丈夫?立てる?手を貸すよ」
イレーネは、腰を抜かして座り込んでいた少女に手を差し出した。
「あっ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」
少女は差し出された手を借り、立ち上がった。
「それじゃ、私はこれで」
イレーネは少女に手を振り、走り去った。
「あっ、ちょっと待っ!」
少女は叫ぶが、言葉を言い切る前にイレーネの姿は見えなくなった。
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「やっとついた~!」
城の前に到着したイレーネは背伸びをした。
「疲れたっ!」
疲れるのも無理なかった。馬車で三時間かかる道のりを歩いて来たのだから。
「ここまで来るのに大体、五時間か。まぁまぁだな。もっと頑張らなきゃ」
イレーネは呟いていた。
「さてと、そろそろお城に入らなきゃ」
城に入ろうと門をくぐろうとしたとき、兵士に呼び止められた。
「すみません、許可書はお持ちでしょうか?」
(そんなの送られてきた手紙に入ってたかな?)
イレーネは封筒の中を調べるが、見つからない。
「あれ?ない?なんで?」
イレーネが焦っていると兵士が声をかけてきた
「許可書の確認がとれたので、どうぞお通りください。」
「えっ?えっ?」
イレーネは困惑していた。なぜ許可書の確認がとれたのか分からなかったからだ。
手紙を不思議そうに見回していると、笑顔で兵士が話しかけてきた。
「あぁ、許可書はこの手紙自体なんですよ」
「あっ、そうなんですか。すみません。お手数おかけしました」
「いえ、大丈夫ですよ」
(優しい兵士さんだなぁ)と思いながら礼を言い門をくぐった。
門をくぐり、王のいる場所へと向かった。
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