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オラリアと7つの神盤  作者: リッキー
3/22

第3話 加護の力

二人が黙って立っていると、強い風と共に軽口の男が現れた。


「やぁ~、元気?」


顔を上げたオラリアが見たものは、風を纏ったニックの姿だった。


「お困りのようだねぇ」


「あなた、何でここに?」


「まぁ、色々あるのさこっちにも」


(相変わらずへらへらしていて、締まらないなぁ)とかオラリアが呑気なことを考えていると。


「君は加護の力の使い方が分からないんだったね。じゃあ、僕が教えてあげるよ」


「えっ!?教えてくれるの?」


「まぁ、それが命令だからねぇ。従うしかないのさ」


「じゃあまず、基本的な所を教えるよ」


「力を使うときは、具体的に何をしたいかを頭の中でイメージするんだ」


「僕の場合は、走る速度を変えたいとか、そんなところかなぁ」


(ものすごく、適当な説明だな)この場にいた人間はただ一人を除いて皆そう思った。


「何をしたいかをイメージ……何をしたいかを(ry」


皆が呆れているなか、オラリアはニックに言われたことを繰り返し呟いていた。


「よしっ!私、やってみます!」


大きな声でオラリアは言うと、近くにあった剣を手に取った。


(やるんだ…変な子だな)ニックでさえもそう思った


オラリアは具体的なイメージを創るために目を瞑る…


オラリアがイメージしたのは剣の刃が炎に包まれるというものだった。


イメージした瞬間、オラリアの持つ剣の刃が炎を纏った……


「おぉ…!」


周囲にいた兵士が皆、一様に驚いていた。

当然のことである。目の前で普段自分達が使っている剣の刃が炎を纏ったのだから。


「やった!できたっ!」


オラリアは驚くよりも先に歓喜していた。


「ありがとうございます!あなたのお陰で、できました!」


オラリアはニックの方に駆け寄り、ニックに対し、深くお辞儀した。


「いいのいいの、気にしないで~、僕は命令されてやっただけだから」


そうは言っても…とオラリアは思ったが、言葉にはしなかった。


「じゃあ、僕の目的は果たしたから帰るとするよ。じゃ~ね~」


ニックはヒラヒラと手を振りながら去って行った。


「ではオラリア殿、私はモラス様に無事使うことが出来たと報告して来ますので、しばしの間、失礼致します」


「あっ、はいわかりました!私はもう少し、この力の練習してますね!」


「ではまた後ほど」


兵士は丁寧に礼をすると、モラスに報告するため訓練所を去っていった。


「よしっ!練習、練習!」


オラリアは再び訓練人形に向かい直って加護の力の練習を始めた。


オラリアが練習初めて30分ほどたった時、兵士が戻ってきた。


「オラリア殿、お待たせいたしました。国王が今後について話をしたいそうです」


「あっ、はいわかりました」


返事をして、オラリアは玉座の間に向かった。


「失礼します」


ノックをして扉を開けると、ツオスヴェルは最初に会った時と同じように座っていた……


「おぉ、来たか」


「は、はい。それより、今後についての話って?」


「あぁ、その事だが、オラリアよ、お主はどうしたい?」


ツオスヴェルはオラリアに話を振った。突然のことにオラリアは困惑し、返事を返すのが遅れた。


「私はこの国の軍に入ります。それで、皆を守れるなら」


「そうか、ではオラリアよ、お主は今からこの王国の軍人だ。だが、お主にはこれから特別な任務を遂行してもらう」


「特別な…任務?」


「そうだ、お主にはこれから選ばれし者達のいる他の王国に向かってもらう。道中、山賊などに教われたりした場合は殺すなり、逃げるなりしてくれ」


「こ、殺すって、私はそんな事のために剣を振ってはいません!」


「あぁ、知っているだから、できるだけ、剣は使うな」


「出来る限り、素手で戦えと言うんですか?」


「あぁ、そうだ。そのくらいのことお主なら造作もないであろう?」


「えぇ、まぁ。出来ないことはないですけど」


「では、やってくれるな?」


「…はい」


オラリアが任務を受けるとしぶしぶ決めた時、ある砂漠の国で新たなる神の子が啓示された。

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