~焔を纏う少女~part①
part① 日常
目を開けるとそこには白いワンピースを着た、混じりけのない純白のロングヘアーと紅色の瞳、それと白く透き通る肌が特徴的な誰が見ても美しいと思えるほどの美少女がこちらを向いて立っていた。
手を見ると少女と同じ大きさぐらいの焔を纏う剣が握られている。
少女はこっちをみると
「あなたは何を求めるの?」っといきなりわけのわからない質問をしてきた。
そして返答する間もなく、
「もし大切なものを失うとしても何かを求めるならこの手を掴んで」
っと剣を持ってないほうの手を差し出してきた。
よく見ると、手には赤く光る指輪がはめている。俺は状況が理解できなくて頭の中が混乱した。
だけど、なぜか俺の手は少女の手に向かっていった・・・。
ピピピッピピピッピピピッ・・・っと置き時計にセットしたアラームの音が俺、斎藤愁の部屋に響き渡る。茶髪でクセ毛のある髪、身長約175㎝のどこにでもいる普通の高校生である。運動も勉強も平均的で、少々剣道をやっていた。途中で面倒くさくなってもう辞めたのだが・・・。
「ん~?」
っといいながら寝ぼけた目で時計を見る。
「もう7時か・・・起きないとあいつがうるさいだろうな~・・・あれ?俺どんな夢見てたっけ・・・思い出せねぇ・・・まあいいや」
俺は寝起きの重たい身体を起こし、リビングに向かった。
リビングに着いたとたん台所から
「今日は珍しくちゃんと起きたんだね~」
っと俺の妹こと斎藤遥が制服姿で喋りかけてきた。
ちょっと茶色ぼいセミロングの髪、クリクリっとした黒色の目、160㎝ぐらいの身長、文武両道の明るい性格で周りの男子からも評判がいいらしい。俺の友達が「遥ちゃんを俺にくれぇぇ‼」と言ってきた時はグーチョキパーでしばいてやったほどだ。
「まぁ寝るのが割りと早かったからな」
っといいながら席に座り、朝食のバターロールに食らいつく。
「ふ~ん、いっつも遅いのにね。こんなにお兄ちゃんがアラーム通り起きてくると嵐が起きそうだよ~」
「俺がたまたま時間通りに起きただけで嵐が起きたら怖いわ‼」っとバターロールを食べきってから突っ込んだ。だか、確かに自分でも変だと思った。いつも学校の一時間目をスルーして二時間目に登校してくるほどに朝に弱いのになぜか今日は余裕とまでは言わずとも一時間目には充分に間に合う時間に起きている。俺は一休さんのように頭に手を当てて考えたがなに一つ思い浮かばなかった。なぜだろう?っと思ったところで
「じゃあ私は学校行くねあと片付けヨロシク~学校遅れないようにね~。」
「へいへい朝練頑張れよ」
「りょか~い」
妹は軽快な足取りでそのまま家を出た。
ちなみにだが俺達には両親がいない。いや、いたのだが三年前にある事故で命を落とした。俺はなんとか平気だったが当時、小学六年生だった妹はかなり厳しかったようだ。一時期は引きこもっていたこともあったがなんとか立ち直って、今では普通に学校に通っており、部活動にも積極的に取り組んでるほどだ。っと妹の昔のことを思い出す自分がおっさんぽいなっと思ったところで席を立ち、あと片付けをして、
「そろそろ俺も準備するか」
っと制服を着るために自分の部屋に戻った。制服にゆっくり着替えてカバンを持ってさぁ、学校へという時にスボンの左側のポケットに違和感を感じた。
「ん、なんだ?」
ポケットに手を突っ込んでみたら赤い宝石が埋め込まれた指輪と手紙らしきものが入っていた。
「俺、こんなの持ってたか?」
っと思ったがいやそんなはずはない。なぜなら生まれてこのかた17年、一度もアクセサリーショップなどに行ったことがないからだ。
だとすると遥からのサプライズプレゼントか?ともおもったがプレゼントされるほどのことをした覚えがないし、誕生日は5月28日で今は4月24日なので約一ヶ月近く離れている。
「んじゃ、何なんだ?」
『ん~』っと眉間にシワを寄せ考えていたが時計を見ると八時前だった。遅刻するかしないかギリギリの時間である。
「や、やべぇ⁉」
ただでさえいつも遅刻しそうな時間に起きて一時間目をすっぽかしているのに、たまたま時間通りに起きて間に合わなかったら自分がアホにしか思えなくなる。
とりあえず指輪と手紙を再びポケットに突っ込んでドタバタしながれも玄関の扉を開けた・・・。
俺が通ってるのは清城学園、中高一貫の学校である。校舎は違うが遥も通っていて、現在中学三年生である。
「な、なんとか間に合った・・・」
俺は自分のクラス、二年二組の時計を肩で息をしながら見る。一時間目が始まる三分前だった。
「おお?愁が一時間目から来るなんて珍しいな!さては遥ちゃんにおはようのチュウで起こしてもらったな⁉クソぅ‼リア充め‼今ここで血祭りにしてやる‼」
っと俺の友達?むしろ悪友?の多田龍一が涙目になりながら「お前だけは俺の味方だと思っていたのに!!」といいながらこちらに向かってくる。黒色の短髪、身長は俺と同じくらいで普通の高校生である。あくまで俺の予想だがおそらくこいつはロリコンだと思う。なぜなら「遥ちゃんを俺にくれぇぇ‼」と言ったのはこいつだからだ。そしてだいぶ龍一が俺に近づいてきたので、迎撃体制を取る。チュウなんかできるわけないだろうが、ていうか涙目になるほどなのか・・・?と心の中で突っ込んだ。
「なんて世の中は理不尽」
おそらく続きに「なんだ‼」と言おうとしたのだろうが
「やかましい。」
っと俺の右手のチョキがそれを言わせず、涙目だった目から涙を流させてやった。
「うおおおぉぉぉ⁉⁉⁉」
多田が目を抑えながらのたうちまわった。
まるで海から飛び出てきた魚みたいだ。
「あ、朝から目潰しはき、効くぜ・・・」
「お前は元気だな」
っと半眼で哀れむような顔をする。
「お前は相変わらずヒデェやつだな・・・」
「いや、お前が襲いかかろうとしてきたから・・・」
友達でも襲いかかってきたらそりゃ迎撃するだろう・・・と心の中で呟く。
「そりゃ超可愛い妹とイチャイチャしているクソ野郎なんか見たらしばきたくなるだろ?」
「俺は遥とイチャイチャした覚えは一度もないんだが・・・」
どう考えても兄と妹がラブコメ展開なんかしたら社会的に抹殺されるだろう。かといって龍一が遥とラブコメ展開なんかしやがったら、真っ先に俺がそのフラグをへし折りに行くがな。
「目潰ししたお詫びに遥ちゃんをくれ!!」
「いいけど遥にも拒否権があるし、俺の予想だがお前がアタックしても打ちのめされる気がするぞ」
「な、何⁉俺に引かれてると思ったんだがな・・・」
そんなバカなこと言ったところで、始業を告げるチャイムが鳴った。
「おらーお前ら席に着けー、ホームルーム始めるぞー。」
二組の熱血教師こと郷田が教卓に立ち出席簿を開く。
「ん?おぉ齋藤、遅刻せずに学校に来るとは珍しいな、何かあったのか?」
「たまたま早く寝てたまたま早く起きただけッス」
「そうか今後もその調子でな!」
「ウィ~ス」
といいながら軽く敬礼する。
「んじゃあホームルームを始めるぞ…。」
ーーー郷田のホームルームが終わり、一時間目の現文も終わった休み時間。眠たくなって机に伏せるという時に
「まだ一時間目なんだから寝ない!!」
っというお節介で小さいころからよく聞いた声が聞こえる。返答しなかったらしなかったでうるさいのでとりあえず顔を上げ、声のする方向に首を向けて
「真里奈、頼むから寝かせてくれ」
っと幼馴染みの芦屋真里奈に無理だと思うがお願いしてみた。
「ダメです。」
やっぱりなと思いながら再び机に顔を伏せる。
「コラッ寝ない!」と言ってるが無視する。
「はぁ~・・・お節介じゃなければ普通に可愛いのにな・・・」っと聞こえない程度に呟く。
黒髪にちょっと長めのポニーテール、瞳も純粋な黒色で身長は約165〜170㎝ぐらい、容姿端麗、周りからの人望も厚く、生徒会長をしている。あまり知られていないがファンクラブもあるらしい。学力と運動はトップで唯一残念なものがあるとすれば料理は人の領域を越えている。一度だけたべさせてもらったが病院送りにされた。
料理を作った本人は俺が病院送りにされたにもかかわらず自分の料理のせいだとなぜか気づいていない。
だから何度も俺に料理を食べさせようとしてくる。料理を持ってくるたびに冷や汗が出てきて料理に追われる恐怖は忘れることはないだろう。
そして俺に必要以上に突っかかってくる。ちょっと前に俺が龍一に相談したら、
「あぁ、神様・・・こんなところに鈍感でhappyな野郎がいるヨ・・・。」と殺意に満ちた表情で呟きながら、龍一が向かってきたので龍一の足が地面に着地する瞬間に足で弁慶の泣き所を蹴ってやった。
その後泣き所を抑えながらのたうちまわったのはいうまでもない。
そして二時間目の始まりを告げるのチャイムが教室に響くーーー。
初めまして五十嵐春人と言います。(^O^)/
初めての投稿で大変読みにくく、不備な点が多々あると思いますが、それでも最後まで精霊の契約者を読んでいただき誠にありがとうございます。m(_ _)m
出来る限りでよろしいですので、評価していただけたら幸いです。( ̄^ ̄)ゞ