追う者達①
いい加減サブタイトル変えよう…。
「ねぇ。タッチィの世界には神々も魔術も精霊術も異種族もいないって言ってたわよね?」
ヒルダに締められながら、フィアの転写の頭痛に耐えた直時は、対価としての自分の知識を転写した。ヒルダも興味を持ったようで、転写を望む。しごき等への復讐の意味を込めて、今までフィアに転写した分をまとめて送ったため、今は頭を抱えて唸っている。
今回は小学校低学年レベルまでの言語と、参考として昔話や童話、児童向け科学読本っぽいものの知識を転写したのであるが、フィアは何か腑に落ちない事があるようで難しい顔をしている。
「そうだね。魔力も何もない世界だったよ。人族はアースフィアから見れば普人族だけで、神々も神霊も精霊も魔獣も神獣もいない世界だったね」
魔力が無い分、野生獣に較べるとことさら非力な人間であったが、群を作り、道具を作り、技術を発展させることで対抗した。
(あれ? アースフィアの普人族も同じ?)
疑問が芽生えた直時であるが、他の生命体と意思疎通が出来るということが地球と大違いである。まあ、神だの竜だのが実在する世界に地球の常識をあてはめることもないと思考を放棄する。
「でも昔話やお伽噺にいろんな神々や、竜族やら巨人族やら鬼人族他が山ほど出てくるんだけど? 昔はいたの?」
「それは想像の中のお話だよ。竜族に関しては人族が生まれるずぅーーーっと昔にいたって証拠の化石が出てるけどね」
相違点を無視して例として挙げた。恐竜の化石のことである。
「……想像だけ? 存在しないのに? なのに当たり前に認識されている?」
視線の焦点を合わせず発した問いは何に向けたのか判然としない。フィアはそのまま思考の海に沈んでいく。
(向こうの世界に無い存在がアースフィアには在る…。アースフィアには無い『かがく』が向こうの世界には在る…。無いはずの存在を認識しているヒビノの世界…。メイヴァーユ様は何か知っておられるのかも…)
『知』に己の欲を求めたフィアの思考は続く。
「もしもーし。フィアさーん? 駄目だこりゃ」
直時は呟きを繰り返すフィアの前で手を振ってみたが反応が無い。何かに没頭しがちな人には良くあることだと放置することにする。
「フィアは思う所があるのだろう。それはさておいて、今夜も始めるぞ。身体を温めておけ、タッチィ」
転写の頭痛から復帰したヒルダが告げる。最後の一言はにやけながらである。
「っく! 楽しそうに弄ってくれる…。ところでまた脱ぐんですか?」
「勿論だ」
「……りょうかい」
次に街へ寄ったときに安い短パンを大量購入しようと心に決める直時だった。
月明かりの下、槍を手に走る直時。探知強化を禁止されているため、本来の知覚でしかない。右手上方から風を切る音。ヒルダの翼だ。星空が人型に切り取られ、その人影が瞬く間に近付く。闇に浮かぶ紅い眼。
(振りかぶり。上段か。斜め回避!)
直時は避け切れない場合を想定し、槍を盾に構えながら右足で砂を蹴り左前方へと踏み込んだ。さらに着地した左足を軸にして、ヒルダの斬撃を半回転しながら避ける。
空振りしたヒルダはそのまま剣を地面へ。勢いに飛び散る砂粒。跳ね返る剣の軌道を力任せに描き変え、切っ先は直時を追う。
(この突きは大丈夫! )
昨晩の訓練でなんとはなしに会得した『肌感覚』が届かないと伝えてくる。
しかし、ヒルダの切り返しの早さは嫌という程味わった直時。サイドステップで跳んでは次撃を避けても宙にいる間に3撃目が飛んでくる。跳んで逃げたい! その衝動を押さえこみ、渾身の擦り足で後方へ。無理な動きに太腿の筋肉がぶちぶちと嫌な音をたてる。
突きを外されたヒルダは大きく踏み込んで剣を横に振るうが、間一髪で後ろへ退いた直時には当たらない。
「うむ。良い判断だ。筋が何本か逝ったようだな。治癒しろ」
攻撃の手を休めたヒルダは、苦痛の色を浮かべる直時に指示した。
「体力向上目的じゃなくて、組み手が主になってませんか?」
精霊術で治癒を施しながら文句を言う直時。
「問題ない。筋の修復は筋力の増加、体力向上にもなっている。一石二鳥だろう? 癒えたのなら続きだ!」
「ヒィッ! ここは一息入れる流れじゃっ?」
「そんな流れは断ち切ってやる! 走れ走れっ!」
後ろ向きに全力疾走する直時へ、嬉々として斬りつけるヒルダ。下着一枚の男を追いまわす凹凸の際立った姫(竜人の)がボンテー…革鎧姿で剣を振り回し、少なからぬ血潮が飛んでいる。致命傷に至らないことを約束された攻撃(S)は、マ…(M)にとっては永遠に続く快楽であっただろう。不幸なことに直時にM属性は皆無だった。
「今日はどんな感じ? 見た限りじゃ、あんまり筋肉ついてるように思えないんだけど?」
無数の刀傷を残したまま、仰向けで荒い息を吐く直時の体を吟味したフィアがヒルダに問う。思考の海からは浮上したようだ。
「贅肉が落ちて引き締まったあと、何故か増量せんのだ。筋肉の破損と修復を繰り返しているのだがなぁ」
腑に落ちない様子のヒルダの言葉を聞きつつ、治癒を直時に施すフィア。
「…多分遺伝ですよ。うちの家系はちっこくて細っこいのばっかりだから」
治癒で復活した直時がヒルダの疑問に答える。
「一族の特徴か…。そんな程度では普人族の中でも脆弱だぞ?」
「そんな程度とか言わないで下さい! うちの国民性は『小型! 軽量! 高性能! 高出力! 低燃費!』が売りなんですっ!」
憐みの視線に思わず噛みついてしまう直時。
「ふむ。タッチィの気合が戻ったようなので、あと一回全力でやったら終了にしようか」
「了解。じゃあ、その後に精霊術の訓練ね」
情け容赦ない二人の魔女に拳を震わせる直時。
「くぅ…。この…。鬼っ! 悪魔っ! ヒ」
「ヒ?」
怖い笑顔のヒルダ。言葉に詰まった直時は、苦し紛れの言い逃れを叫ぶ。
「ヒ、ヒムラー!」
「……なんだそれ?」
首を傾げるヒルダを残して直時は闇夜の砂浜を逃走した。転写情報に無いことであるが、某国の秘密警察長官であることは秘密である。
ヒルダの特訓によるボロ雑巾状態から治癒で復活した直時はフィアから風の精霊術、攻撃では無く自分の感覚として活用する方法を教えてもらう。
「探知強化は使ってないわね? 風の精霊術、『探査の風』をなんとなくでなくちゃんと憶えること! 風の精霊が教えてくれるから身を守る術として最優先に憶えなくちゃいけないわ。今までは状況が逼迫してなかったから放っておいたけど、これだけはちゃんと憶えること!」
いつにもまして真面目な声音のフィアに、ヒルダの訓練でダレていた直時が気を引き締める。
「眼を閉じて。精霊の囁きは聞こえる? じゃあ精霊に目となってもらいなさい」
フィアの言葉通りにすると、真っ暗な直時の網膜に周囲の輪郭が白線となって浮かび上がる。
「次に精霊に教えてもらうの。周囲の形。色。臭い」
求める情報を伝達する。白黒のイメージに様々な情報が付加され、眼を瞑っているのにも拘わらず直時の脳裡に色彩豊かな情景が描き出される。驚きに呻く直時。
周囲の地形は元より、刻々と変わる波の形、跳ねる飛沫、風の向き、それに舞うフィアとヒルダの細い髪の様子。
(これは…。探知強化いらないんじゃないか? 凄いな! あと…フィアとヒルダさんの甘いかほりが…)
女性特有の(男からしてだが)芳しい香りまでも運んでくる風の精霊に自重を促したくなる直時である。
(風の認知範囲は俺の認知範囲?)
風の精霊が伝えるタイムラグはあるものの、ほぼリアルタイムで脳裡に再現される光景。細く繊細な(体型のみ)フィアと、メリハリのあるヒルダの情報までが風の精霊によって届けられる。
「げふんっ! げふんっ!」
思いもよらない収穫に咽ぶ直時。ヒルダには判らなかったようだが、肌をなぶる風に気が付いたフィアの頬に朱が差す。
「……触った?」
「それは風の精霊さんが触っただけです。フィアは触るもクソもなく見てるよね?」
裸を見られたし、訓練中は下着一枚である。居直り具合が半端ではないが、ぐうの音も出ないフィア。
勝ち誇ったように野営地へと向かう直時は、水の精霊に同じ感覚を望めば水中での活動も自由になるなと考察していた。
翌朝、またしても夜明けに合わせて目が覚めた直時。日本では考えられない生活サイクルである。新たな精霊術の活用法や、水や風に身を任せた飛行や遊泳の爽快さ、それを自由に行使できる澄み切った空と海。興味をそそられる事や、気持ち良い事が多過ぎる。暢気に寝ていられるのも最高の贅沢だが、それに勝る楽しみがあった。
脱いだ着衣を丁寧に畳み、靴も脱いで裸足になる。恒例になりつつある褌(正確には下着)姿の早朝トレーニングである。
「運動と治癒術の連続使用は凄いな。短期間でこんなに引き締まるとはなぁ」
くっきりと分かれた腹筋を確かめるように自分の腹を掌で叩く。肩や二の腕も太くなっている。元が元だけに筋骨隆々とはいかないが、眼前に鏡があれば恥ずかしげも無くボディービルダーのポージングを真似ていたであろう。
入念なストレッチと筋トレ、ランニングで自分に課したノルマを果たした直時は治癒を施したあと風の精霊に身を任す。
初めは近寄ってこなかった海鳥に混じって、海面を低空で飛行。ときどき手や足を波に掠らせて海面に白波を立てる。
「っかぁーーーーーっ! 気持ち良い!」
自然と笑みがこぼれてくる。
両腕を羽根のように広げ、海面すれすれで錐揉み。交互に掌に当たる水の感触。水の精霊術で飛沫を水柱へと変える。飛翔する直時の後を追うように水柱が上がり、10メートル程の高さで崩れ落ちる。海面へと戻る飛沫は朝日を浴び七色の橋を浮かべた。
(右下方、島の沖に水柱!)
姿を隠して上空を飛行する物体。その最後尾から僚騎へと警戒の念話が発せられた。
ヴァロア王国、ペルティエ特務大尉一行は巡航速度でも夜間飛行すれば直時達へ追いつくと判断し、急追しなかった。空中騎兵母艦で充分な休養を取り出発。速度的に無理はせず、しかし休みなしの飛行により2日後の夜明け、早朝の自主訓練中の直時を発見することが出来たのだった。
(3番騎は上空にて待機。1番騎で接近確認する。2番騎は1番騎の後へ。不意の事態には即離脱。万が一のときは母艦へ帰還しろ)
サミュエルは即座に指示を飛ばす。3番騎には子爵とはいえ貴族の息女エリアが乗っている。無理はさせられない。
「視えざるを視る 望むは鷹の眼 『遠視』」
『探知強化』の視力強化だけの単能強化版、その分魔力を節約した魔術で視力だけを向上させるサミュエル。後ろにつけたオデットも同じ人魔術を使用する。
緩旋回で連続する水柱の先へと接近する2騎。不自然な現象の原因を強化した視力で確認した。はっきりとその黒髪を!
(視認! 『黒髪の精霊術師』だ!)
興奮を隠せないサミュエルの念話に他の2騎に跨る者達も沸き立つ。
(一旦離脱! 上空で旋回待機。方針を検討する)
(特務大尉殿。接触するのではないのですか?)
問うたのは1番騎の騎手である空中騎兵だ。他の騎兵や、同乗しているエリアとオデットも同意を念話に込める。
(予定ではイリキアへの先乗りだった。ここで邂逅できたのは僥倖であるが少し考えさせてくれ。この状態でエリア嬢の魅力は十全に発揮できるか?)
軍行動での移動であるため軽装。早翔けに重点を置いたため淑女の身嗜みもへったくれもない状態である。出来るならば潤沢な軍資金で飾り立て装備万端で標的と相対させたい。
(確かにこのままではエリア様の魅力を余すところなく見せつけることは不可能でございますね…)
オデットが相槌を打つ。
サミュエルは考える。万全の態勢ではないが、この好機を逃すは勿体ない。ロッソでの交渉内容の報告も、金と色を使ってそれでも袖にされたとある。イリキアで待ち伏せるとしても、他国との競合があるだろう。単独で接触できるこの機会は千載一遇。交渉事が初回で終わるわけでもない。標的の傾向を知る上でも一度は当たってみるべきだと思った。
(宜し! 各騎『幻景』解除! 標的に接触を試みる。2、3番騎は上空待機。私が交渉につく)
(あら。ここは花を添えて警戒心を緩ませる方が宜しいかと思います。御供させて下さい)
(エリアお嬢様が往くならば私は従うだけでございます)
サミュエルの指示に異論が唱えられる。
(いや! ここは命令に従って頂かないと!)
(私は軍人ではありませんよ?)
(フィア、ヒルダさん、何か来た! 視認し難いけど空中騎兵っぽいのが上空に3騎旋回中! 二人は念のため身を隠して!)
女性二人を説き伏せようとサミュエルが苦労している間に、風の精霊から異常を伝えられた直時が探査の風で捕捉していた。
一緒に行動しているのが露見すると不味いとの判断で寝ている二人へ念話を飛ばす。強い警告に弾かれたように島の林へと身を隠すフィアとヒルダ。身の回りの荷物も一緒に引き揚げる。
(一応気付かない振りしておいた方がいいかな?)
(こちらは退避を完了した。相手は窺っているだけか?)
(そうみたいです。あっ! 姿が見えた! 魔術で隠してたのを解除したみたい)
飛翔を止め、空中に滞空する直時はゆっくりと近寄る姿を確認する。
(白い竜っぽい4枚羽の騎獣にそれぞれ2人が乗ってる。後席の3人が手を振ってる)
(騎獣の種類は? 4枚羽の騎獣を持っている国は無いと思うんだけど…)
直時の報告にフィアが問う。転写済みの知識を脳内検索。合致する種族がいた。白烏竜である。念話で伝えた直時の脳裡にヒルダの怒りの波動が届いた。
(飛竜族だ! 本来なら騎獣になぞならん! 捕獲調教されたのだろう!)
ミソラが虐待されたのがついこのあいだである。ヒルダの怒りに同調したのか、近付く騎影に直時の眼が険しくなる。
(とりあえず臨戦態勢で接触を待つよ? 攻撃されたらやりかえすからね)
(白烏竜だけは傷を付けるなよ)
(あんたも相手の攻撃を待たずに危ないと思ったらやっちゃいなさい!)
(了解!)
ヒルダとフィアへ返事を送り、睨みつけるように3騎を見る。
「(当方に害意無し! 会見を望む!)」
声と広域念話で話しかけてくる。周囲に風と水の渦で防壁を作りながら様子を窺う直時。
「こちらは冒険者タダトキ・ヒビノ! 名乗れ!」
念話は使わず大声で返す。補助として風の精霊に声を届けてもらう。
「(ヴァロア王国よりの使者、サミュエル・ペルティエと申します! お話があります! お傍に近付かせて頂きたい!)」
先頭を飛ぶ空中騎兵の後席から請願が直時へと発せられる。後続2騎の後席の二人が飛行帽を脱ぎ手を振る。エリアとオデットが援護とばかりに満面の笑顔で両手を振っていた。
(ヴァロア王国の使者を名乗っている。ここまで来てるなら話だけは聞いた方が良い?)
(あそこかぁ)
(ここまで来たのなら仕方ない。充分注意しろ。それとできるなら白烏竜のことも聞き出してくれ)
ヒルダの言葉に肯定を返した直時はヴァロアの使者へ接近の許可を与える。
「話を聞こう。近くの砂浜で野営している」
「提案の受け入れ感謝する」
低速で周囲を旋回する3騎へ声を掛け、風と水の防御をそのままに浜へ戻る。直時の後ろに白烏竜3騎が続いた。
(エリア様っ! お相手はお若いですよ! 少々貧弱ですが噂通り精霊術師ですねっ! でもでもけっこう引き締まった身体つきですよっ! お尻ちっさっ!)
(……オデット)
髪と瞳が黒であるという外にも、東洋系の普人族がいないためのっぺりとした顔と小柄な体格に実年齢を誤解されてしまう直時。異様に興奮しているオデットの念話を心配する心優しいエリアであった。
水の精霊術で潮と汗を流し、風の精霊術で体を乾かした直時は黙々と衣服を身に付けている。生活魔術でなく精霊術を行使したのは相手にプレッシャーを与えるためだ。
「お待たせしました。御婦人方の前で申し訳ないですね」
少し離れた場所で待っていた6名と3頭に向かい合う。
「いいえ。突然の申し出を受けていただけて有難うございます。こちらこそ突然不躾なことで申し訳ありません」
サミュエルが直時の眼から視線を外さずに頭を下げた。
「まぁ、楽にしましょう。地よりなるもの 我が意の形に 『椅子』」
土系人魔術を改造した直時オリジナルである。6つの魔法陣と6つの石製の椅子が生成された。直時に対面するように1脚。その背後に女性二人用2脚。少し離れたところ、白烏竜の傍に3脚。自身は傍の流木に腰掛ける。
「これは! 初めて見る人魔術ですね? 異国の人魔術ですか?」
「そんなところです。座ってください。自分も落ちつかないんでね」
水の防壁は解除したが、ゆるやかに直時の周囲を風が巡っている。警戒を露わにした対応だ。
「では失礼致します」
サミュエルは背後に目配せし着席を促す。全員が座った事を確認して直時の正面に座る。
(今、着席。使者はサミュエル・ペルティエと名乗った男。鶯色(くすんだ緑色)の髪に碧眼。背は高い180センチくらいかな? 体つきは軍人っぽくない細め)
(油断しちゃ駄目よ。魔術に体格は関係ないからね)
(他の者はどうだ?)
(騎兵の3人は軍人でしょう。座ったけど崩れた感じがしない。女性二人も立ち居振る舞いから軍人っぽい。それこそ魔術師かな? 多分使者の護衛。傍らから離れない)
眼の前の者達を順に見ながら念話でフィアとヒルダに報告を欠かさない。会話のやり取りは全て伝えて助言を得るつもりである。
一方ヴァロア側も念話を交わしていた。
(彼との交渉は私に任せてもらいます。口は挟まないようにお願いします。今回、エリア様の身分は隠します)
交渉用の愛想笑いを浮かべながらも冷めた瞳で直時を値踏みするサミュエル。
(了解しました。特務大尉殿。オデットもいいわね?)
エリアの言葉に肯定の念話を返すオデット。二人とも女性将校然として背筋を伸ばしたまま沈黙を貫く。
お互いの出方を窺いながら薄く笑いを浮かべた直時とサミュエル。歴戦の参謀と異世界の素人精霊術師の会見が始まった。
褌姿を後ろから見られてました。